観光におけるCRMとは?観光分野のCRMマーケティングの重要性
今現在はまた難しくなりそうですが、またコロナが落ち着いた頃には旅行して観光したいと目論む今日この頃ですが、今回は観光におけるCRMについて紹介します。
ホテル業でのCRMはわかるけど観光については?と思うかと思いますが、観光においてもCRMが存在します。
改めて「CRMマーケティング」とは?
CRMはCustomer Relationship Managementの略で日本語でいうと「顧客関係管理」を意味します。
そして「CRMマーケティング」とは、顧客一人一人とよりよい関係性(CRM)を築くことを目的に、顧客情報の収集や分析、データに基づいて顧客に寄り添う戦略と戦術を行うマーケティング活動を指します。
簡単に言うと、リピーターやロイヤルカスタマー(消費者)、自社や自社の商品に強い興味・関心を持つユーザーセグメントへのマーケティングです。
では観光業においては、どのようなCRMマーケティングが行われるのでしょうか。
「観光業」におけるCRMマーケティング
「観光立国」の実現やコロナ前のインバウンドで訪日外国人旅行客が押し寄せていた観光地の「オーバーツーリズム」問題や団体旅行などの「マスツーリズム」が終焉を迎え、消費者それぞれがメディアやブログ、旅行サイトや比較サイトを使って観光地を選んで旅行することが増えました。
そのため消費者による口コミやアフターサービスの重要性が増したため、個々の顧客との関係性を築くことが重要になり、「CRMマーケティング」が必要となってきました。
「量」を追求した観光施策や画一的なマーケティングから脱して、消費者やリピーターを大事にし、WINWINの関係となる姿を追求する「観光CRM」は非常に重要です。
観光CRMって何をやるの?
まず観光CRMを活用する上で観光客の顧客理解が必要になります。
顧客を知る上で従来はチェックアウト時にアンケートに記入して頂くなどアナログな方式は実施されておりますが、それでは回答を集約する作業が発生してしまうため、オンラインでのアンケート回答を導入しデータベースに回答を集約した方が良いでしょう。
その後、データの分析を行い、充分な顧客理解と属性や会員ランク等に応じて顧客セグメントを分けていきましょう。
その後、CRMツールと顧客データ、購買情報(宿泊や料飲)を連携させ、顧客セグメントごとに施策やプロモーションを検討することになります。
顧客セグメントごとに、例えば新規顧客向け、リピーター向けに訴求内容を変えたりして施策を実施してみて、その後どういった成果であったか評価し、PDCAを回していくことが重要です。(こういったマーケティングは最近では観光庁も観光地域づくり法人(DMO)という取組みを始めています)
その他、「観光地でどこに滞在していたか」や「ホテル内でどう過ごしていたか」など旅行中に過ごした体験についても把握できれば、よりお客様にマッチした新たな旅行商品の開発に役立てられ、お客様のファン化を促進できるのではないでしょうか。
観光とは「交流」? CRMを通じた「関係人口」とは?
「関係人口」とは総務省のHPによると「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉とされています。
地方の地域作りの担い手不足に対して、若者を中心に「関係人口」と呼ばれる地域外の人々が地域づくりに関わっていくことが期待されています。
「観光」もまた、地域住民と地域外の人を繋ぐ「交流」の役割を果たしており、関係人口としての関わりのはじめの一歩になる可能性を秘めております。
そういった上でも今後、観光客に対して企業・地域の関係性を築く「CRMマーケティング」は、さらに重要性を増していくのではないでしょうか。