ユーザビリティ調査とは?やり方や種類に関して解説!
デジタルマーケティングカンパニー・オノフのながいです。
ユーザビリティ調査とは、プロダクトのユーザビリティ(使いやすさ)を評価する重要な調査方法の一つです。ユーザビリティ調査の基本として、ユーザーがタスクをどのように遂行するかを観察し、その過程で発見される問題点を特定します。調査の進め方としては、代表的な方法にユーザーテスト、インタビュー、アンケートがあります。ユーザーテストでは、実際のユーザーにプロダクトを操作してもらい、その反応を観察します。インタビューでは、ユーザーの直感や感想を直接聞くことで深層的な情報を得ます。アンケートは、多くのユーザーから広範なデータを収集するのに適しています。具体的な進め方には、まず調査目的と対象を明確化し、適切な手法を選定することが重要です。注意点としては、偏ったデータ収集や先入観のある質問を避け、公平な視点でユーザーの意見を取り入れることが求められます。これにより、使いやすく魅力的なプロダクトが開発され、ユーザーの満足度を高めることができます。
ユーザビリティ調査の基本概念
ユーザビリティ調査の基本概念は、ユーザーが直面する問題点を明確にし、製品やサービスの使いやすさを向上させることを目的としています。UXデザイナーやプロダクトマネージャーにとって、ユーザビリティ調査はプロダクト成功の鍵となる重要なステップです。まず、ユーザビリティ調査の基本には、対象ユーザーの選定、調査方法の決定、データ収集、分析、改善提案が含まれます。具体的には、ユーザーインタビューや観察、ユーザビリティテスト、アンケートなどの手法が用いられます。これらの方法を組み合わせることで、多角的にユーザーの行動や感想を把握し、製品やサービスの改良点を見つけ出します。適切なユーザビリティ調査を実施することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、最終的にはプロダクトの成功につなげることができます。
ユーザビリティとは
ユーザビリティという言葉を使ってご説明していましたが、そもそもユーザビリティとは具体的にどのように定義されているのでしょうか。代表的な2つのユーザビリティの定義についてご紹介いたします。
①ヤコブ・ニールセン博士の定義
Webにおけるユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン博士は、「Usability Engineering」の著書内で、ユーザビリティの指標は以下の5つの要素があると述べています。
(1)学習しやすさ
ユーザーがすぐ作業を始められるよう簡単に学習できるようにしなければならない。
(2)効率性
一度ユーザーが学習すれば、あとは高い生産性を上げられるよう効率的な使用を可能にすべきである。
(3)記憶しやすさ
ユーザーがしばらく使わなくても、また使うときすぐ使えるよう覚えやすくしなければならない。
(4)エラー発生率
エラー発生率を低くし、ユーザーが試用中にエラーを起こしにくく、もしエラーが発生しても簡単に回復できるようにしなければならない。また、致命的なエラーが起こってはいけない。
(5)主観的満足度
ユーザーが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しく利用できるようにしなければならない。
➁ISO 9241-11の定義
国際標準機構の国際規格であるISO 9241-11では、
ユーザビリティを
”特定の利用状況において、特定のユーザーがある製品(システム、サービス)を利用する際の「有効性」、「効率性」、「満足度」の3要素の度合いである”と定義しています。
(1)有効性(有効さ)
ユーザーが特定の目標を達成する際の正確性及び完全性。
(2)効率
達成された結果に関連して費やした資源。
(3)満足度
不快感なく快適に使用できるか、製品(システム、サービス)の使用に対しての肯定的な態度。
ユーザビリティ調査とは
ユーザビリティ調査とは、ユーザーが製品やサービスをどの程度効率的かつ効果的に使用できるかを評価する重要なプロセスです。UXデザイナーやプロダクトマネージャーにとって、ユーザビリティ調査は非常に価値があります。この調査では、ユーザーの行動やフィードバックをもとに、使いやすさやユーザーエクスペリエンスの向上を目指します。通常、ユーザーテスト、アンケート、インタビューなどの具体的な手法が使用されます。これらの方法で得られるデータは、製品やサービスの改善ポイントを明確にするための重要なインサイトを提供します。
ユーザビリティの重要性
ユーザビリティ(使いやすさ)の重要性は極めて高いです。ユーザーが製品やサービスを使いやすいと感じることで、顧客満足度が向上し、ブランドへの信頼も築かれます。この直感的で分かりやすいデザインにより、ユーザーは目標を迅速に達成でき、コンバージョン率を高めるなどして最終的にはビジネスの成功に繋がります。特にUXデザイナーやプロダクトマネージャーにとって、ユーザビリティの高い製品は市場競争力を高め、顧客リテンション(既存顧客との良好な関係を維持するための活動)を促進します。また、適切なユーザビリティ調査を行うことで、製品の問題点や改善点を早期に発見し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。その結果、より多くのユーザーに愛される製品を提供できるようになります。
ユーザビリティ調査の種類
ユーザビリティ調査は、プロダクトやサービスの使いやすさを評価し改善するための重要な手段です。主要なユーザビリティ調査方法の種類として、従来型、オンライン型、簡易型の3つが挙げられます。従来型は対面でのインタビューや観察による深い洞察が得られる一方、オンライン型はリモートで参加可能で地理的制約を超えて多くのデータを収集できます。簡易型調査は迅速に結果を得られる点で有用です。これらの特徴と利点を理解することで、あなたのプロダクトに最も適した方法を選び、効率的なユーザビリティ調査を行うことができます。
従来型ユーザビリティ調査
従来型のユーザビリティ調査は、直接ユーザーと対面で行う方法です。このアプローチには、ラボ環境を使用したテストやユーザーインタビューが含まれます。
ラボ環境テストでは、ユーザーは特定の環境で製品やサービスを使用し、その行動を研究者が観察してデータを収集します。これにより、実際の使用状況に近い形でユーザーの行動データを得ることができます。
ユーザーインタビューは、直接ユーザーに質問をし、彼らの経験やフィードバックを収集する形式です。この方法により、具体的な改善点を明確にし、詳細な洞察を得ることが可能です。
従来型のユーザビリティ調査の利点は、詳細で豊富なデータを収集できる点にありますが、その一方で時間とコストがかかるデメリットがあります。特に、複雑な製品の試験や多くのユーザーを対象にする場合、リソースの消費が課題となります。
オンライン型ユーザビリティ調査
オンライン型のユーザビリティ調査は、インターネットを介して実施される手法です。これにはリモートユーザビリティテストとオンラインアンケートが含まれます。
リモートユーザビリティテストでは、ユーザーが自宅などの自由な場所で製品やサービスを利用する場面を、ビデオチャットやスクリーン共有ソフトウェアで観察します。これにより、地理的な制約を受けずに多様なユーザーからデータを収集することが可能です。一方、オンラインアンケートではユーザーに直接アンケートを送信し、体験や意見を手軽に取得します。短期間で大量のデータを収集できるため、非常に効率的です。
オンライン型のメリットは、地理的な制約がなく、迅速に実施できる点です。しかし、詳細な観察が難しい場合もあるため、他のデータ収集手法との併用が推奨されます。UXデザイナーやプロダクトマネージャーにとって、これらの方法は効率的であり、広範囲なユーザビリティ調査を行う上で効果的であることを理解することが重要です。
簡易型ユーザビリティ調査
簡易型のユーザビリティ調査は、低コストで迅速に実施できる方法です。これには、ヒューリスティック評価やペーパープロトタイピングが含まれます。
ヒューリスティック評価では、ユーザビリティの専門家が製品やサービスを評価し、既存のユーザビリティ原則に基づいて問題点を特定します。この方法は迅速に多くの問題を発見できるため効率的です。
ペーパープロトタイピングでは、紙とペンを使って初期段階のプロトタイプを作成し、ユーザーに試させることで早期のフィードバックを得ることができます。これにより、設計段階での修正が容易になります。
簡易型の利点は、迅速かつ低コストで実施できる点ですが、収集できるデータの具体性や詳細さに欠ける場合があるため、ユーザビリティ調査の基本として他の調査方法と組み合わせて利用することが推奨されます。
ユーザビリティ調査の進め方
ユーザビリティ調査は、製品やサービスの使いやすさを評価し、ユーザー体験を向上させるための重要なプロセスです。まず、調査の目的を明確に設定し、ターゲットユーザーを選定します。その後、ユーザーインタビューや観察、アンケートなどを活用して具体的な調査を実施します。収集したデータは定量的・定性的に分析し、結果に基づく改善提案を行います。特に注意すべきは、ユーザーの真のニーズを把握し、バイアスを避けることです。具体的なアクションプランを立て、実装と評価を繰り返しながら、ユーザー体験の最適化を目指します。
目的設定から始める
ユーザビリティ調査を始める際には、まず明確な目的を設定することが重要です。目的が不明確では、収集するデータが無駄になり、調査結果も役立たないものになります。例えば、「ログインプロセスの使いやすさを向上させる」という具体的な目的を設定することで、焦点を絞り、効果的な調査を行うことができます。ターゲットユーザーの特定や評価基準の設定も同時に行うと、更に意味のあるデータを得ることができ、その後の改善策も具体的になります。
調査項目の整理と事前準備
ユーザビリティ調査を効果的に進めるためには、まず評価したい具体的な調査項目をリストアップすることが重要です。この過程では、チーム全体で何が重要かを共有し、一貫性を持たせることが必要です。具体的な調査項目として、ナビゲーションの直感性、情報のわかりやすさ、フィードバックの適切さなどが挙げられます。これらの項目に基づき、質問項目や観察点を明確にすることで、調査はスムーズに進行します。また、事前にチェックリストを作成することで、調査の精度が向上し、必要なデータを効率よく収集できます。
調査の実施方法
ユーザビリティ調査には様々な方法があります。以下に代表的な方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
ユーザーテストは、直接ユーザーにプロダクトを使ってもらい、その様子を観察する方法です。この方法でリアルなユーザー行動や具体的な問題点を把握でき、非常に効果的です。ただし、実施には時間とコストがかかるため、計画的なリソース配分が必要です。
オンラインアンケートは、広範囲にわたるデータを短時間で収集できる点が利点です。しかし、ユーザーの本音や具体的な行動パターンを把握するのは難しい側面があります。これにより、得られるデータの深さが限られることがあるため、他の調査方法と併用することが推奨されます。
ユーザーテストとオンラインアンケートを組み合わせることで、ユーザビリティ調査の効果を最大化することが可能です。具体的なユーザビリティの問題を解決し、プロダクトの改善に役立てましょう。
結果の分析と改善施策
調査が終わったら、得られたデータをもとに分析を行い、具体的な改善施策を策定します。この過程は調査の最も重要な部分です。
定量データの分析では、アンケート結果やログデータを用いてユーザーの傾向を把握します。これにより、全体的なパターンや数値に基づいたインサイトを得ることができます。
定性データの分析では、ユーザーテストのビデオ録画やインタビュー内容を詳しく解析します。これにより、具体的な不満点や改良点を抽出し、根本的な改善につなげます。
改善施策の立案と実施では、これらの分析結果を基に具体的な改善提案を行い、実行計画を立てます。この際、改善がユーザー体験にどのような影響を与えるかを常に念頭に置き、効果的な最適化を目指します。
ユーザビリティ調査の際の注意点
ユーザビリティ調査はプロダクトの成功に欠かせないプロセスです。しかし、誤ったやり方や注意不足により逆効果になることもあります。まず、ユーザビリティ調査を実施する最初のステップは、ターゲットユーザーを正確に定義することです。これはUXデザイナーやプロダクトマネージャーにとって非常に重要です。次に、調査の目的と目標を明確に設定し、それに基づいた具体的な調査方法を選定します。例えば、ユーザビリティテストやアンケート、ヒューリスティック評価などがあります。これらの方法を適切に組み合わせることで、ユーザビリティに関する詳細なデータを収集できます。また、調査結果の分析においては、定量データと定性データの両方をバランスよく評価し、総合的な洞察を得ることが求められます。最後に、調査結果に基づいた改善策を迅速に実施し、ユーザーエクスペリエンスを継続的に向上させることが大切です。
ターゲット設定の重要性
ユーザビリティ調査を行う際、最も重要なステップの一つはターゲットユーザーの明確な設定です。適切なターゲットユーザーを選定しないと、得られるデータが偏向してしまい、正しい改善策を導き出せません。
まず、プロダクトの典型的なユーザー像を詳しく定義します。これはデモグラフィック情報(年齢、性別、職業など)だけでなく、ユーザーの行動パターンやエクスペリエンスに基づくフィクショナル人物ペルソナを作成することが効果的です。このペルソナを基に、調査対象の具体的なユーザーグループを選定します。
さらに、ターゲットユーザーの選定後、幅広いソースから参加者をリクルートすることが重要です。オンラインパネルやSNS、ユーザーデータベースなどを活用して、代表性のあるユーザーを集めましょう。この方法により、調査結果の信頼性が向上し、プロダクト改善に向けた具体的なインサイトを得ることができます。
時間管理の必要性
ユーザビリティ調査は時間を要するプロセスであり、適切な時間管理が欠かせません。まずプロジェクト全体の効率的な進行のために各ステップに対して具体的なタイムラインを事前に設定します。調査準備段階には質問シナリオやタスクの設計、ツールの準備が含まれ、この段階でも明確な締め切りを設け、遅延を防止します。
実際の調査時には各セッションの時間管理が重要です。ユーザーが自然体でタスクを遂行できるよう、余裕を持った時間設定を行うことが推奨されます。セッション後にはデブリーフィングやデータの整理・分析に十分な時間を確保し、調査結果を最大限に活用します。これにより、ユーザビリティ調査の全過程が効率的かつ効果的に進行します。
改善目的を明確にする
ユーザビリティ調査の主目的はプロダクトの改善点を明確にし、その修正案を見つけることです。このプロセスを成功させるためには、調査前に具体的な改善目的を設定することが不可欠です。まず、現在のプロダクトの問題点やユーザーからのフィードバックを基に、どの部分を重点的に調査すべきかを明確にします。そして、チームメンバーや利害関係者と協議し、改善の方向性を一致させましょう。
改善目的を明確にするためには、具体的な評価基準や成功指標を設定することも重要です。これにより、調査結果を有効に活用し、具体的なアクションプランを導き出すことが容易になります。成功指標には、タスク完了率、エラー数、ユーザー満足度などの定量的な指標を含めることが考えられます。結果的に、しっかりとした基準を設けることで、プロダクトの改善がより効果的に進行するでしょう。
お気軽にご相談ください!
オノフではユーザビリティ調査・操作性の向上のお手伝いもしています。ユーザビリティ調査に関する事例もございますので、興味のある方はお気軽にご連絡ください!