2021年の日本におけるフェムテックの活躍をまとめてみた
皆さんこんにちは。ライターの磯目です。今回は2021年最後の記事ということで、オノフのブログでも今年数多く取り扱ってきましたフェムテックについてまとめてみたいと思います。
直近だと今年の12月には2021年の新語・流行語大賞にもフェムテックはノミネートされていました。今年まさに世界中で注目され、日本でも当たり前のように取り上げられるようになってきました。海外では、自治体や国をあげての積極的な取り組みが見られたほか、国内でも様々なサービスやアイデアが登場した。今、女性たちが抱える課題に対するアプローチが国内外で増えています。2021年トレンドとなったフェムテックの現状と今後について改めて考えてみましょう。
日本でのフェムテック
「フェムテック(Femtech)とは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語のこと。一般的には、生理、妊娠、更年期など女性特有の健康問題を解決するためのテクノロジーを用いたプロダクト・サービスを指します。
はじまりは、2013年頃、ドイツ発の月経管理アプリ「Clue」代表のIda Tin氏が、自身の運営するサービスのカテゴリを表すために使用した言葉で、「female」と「technology」を合わせた言葉である。
男性が多い投資家に自身のサービスに関心を持ってもらうため、当時相次いで登場した「○○テック」になぞらえて称したのがきっかけとされています。
その後、フェムテックは広がりを見せ、現在では「月経」「妊活」「セクシャルウェルネス」「更年期」など、 多様性を求めライフステージにおける様々なイベントに合わせた製品・サービスを表す言葉となりました。
日本での始まりとして代表的なものは、2000年に誕生した「ルナルナ」が思い当たるかと思います。昨年2020年は日本でも「フェムテック元年」と言われ、フェムテック市場の企業数は、2020年11月には97社にまで増加したとされています。
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2021年における日本のフェムテックについて
フェムテック元年と言われた2020年からどう変化したか。
一番強く感じるのは、より消費者に対して身近な存在になったということです。
特に話題になったのが、2021年3月8日の国際女性デーに合わせてGUが発売した吸水ショーツでしょう。それまでも吸水ショーツを扱う企業は幾つかあったが、おおよその価格帯は4000〜6000円台が殆どでした。それに対して、GUでは1490円という半額以下の価格で販売し、興味を持っていたけど手が出せていなかった人を一気に獲得しました。
特にお母さん世代に莫大にヒットし、その結果「フェムテック」が2021年のトレンドになったと言えるでしょう。機能性はもちろん、繰り返し使えて今のサスティナブルにもマッチしていることもポイントです。
このように、2021年はフェムテックが少しずつ身近な、手に届きやすい存在となっていることが分かります。
2022年以降のフェムテックについて考えてみる
フェムテック自体が新しい考え方であり、該当するジャンルも様々です。その中でも月経・妊よう性をサポートする分野は起業されやすい印象がありますが、更年期など年齢を重ねてからのサービスはあまり取り扱われていないことから、今後はこれらのサービスが徐々に増えていくことになると考えています。
また、GUが売り出したリーズナブルな価格の吸水ショーツのように、「値段」の部分でも消費者に気軽に手にとって貰えるような商品づくりが求められています。ですので、未だ参入していない大企業がフェムテック事業を立ち上げることが、何より注目されていくでしょう。
経済産業省の調査によると、フェムテックの商品・サービスの普及で、2025年には2兆円の経済効果が見込まれるといいます。今では「フェムテック」という名前により女性を中心に商品やサービスが展開されていますが、ジェンダー平等の実現のためには男女双方の理解が不可欠であると考えているため、健康を求めて活用する商品やサービスは女性に限らず、男性にも共感を得られるような取り組みが期待されます。
2022年はフェムテックのさらなる進化に注目していきたい思います。