eスポーツとシニアプレイヤーの心理
Apex Legends(エーペックスレジェンズ)でゴールド帯を抜けられないミチシタです。今回ご紹介するシニアチームのほうが上手いかもしれません。さて、今回はシニアの皆さんによるe-sports(イースポーツ)チームからシニアビジネスについて考えたいと思います。
アクティブ化する高齢者(アクティブシニア)とシニアビジネス
「高齢化社会」と聞くと「少子高齢化」や「医療費問題」等ネガティブなイメージを思い浮かべがちですが、これは高齢者に対して、定年退職後、家に引きこもり、テレビを見ているような「古いタイプのシニア層」をイメージされているからだと考えられます。
しかし、そんな側面とは別にアクティブなシニア層がいることも確かです。定年退職された後、旅行やショッピング、家庭菜園など自分の趣味に没頭できる時間を持つアクティブシニア層はシニアビジネスのターゲットの1つです。みずほコーポレート銀行の産業調査によると、高齢者(65歳以上と定義)の市場規模は、2025年には101.3兆円規模に拡大するといわれています。
そのうち介護産業と医療・医薬産業以外の生活産業については、51.1億円となります。
シニアによるeスポーツチームの登場
昨今、eスポーツ業界の認知度も上がってきていますが、プロ選手のメイン年齢層は10代後半から20代前半になります。そんな若者の世界にシニアの、eスポーツチームが登場しました。
その名も「マタギスナイパーズ」という秋田県秋田市にある秋田県eスポーツ連合トレーニングセンターにあるチームです。65歳以上限定で男女18名ほどが在籍しているそうです。
高齢者とビデオゲームというと、すぐに「健康のための趣味」や「認知症予防」といったフレーズが思い浮かびますが、「マタギスナイパーズ」の目標はそこに終始することはなく、孫にも一目置かれるような本格的にプロプレイヤーを目指し、世代横断型の地域コミュニティの育成につなげることが目的だということです。
プロプレイヤーを目指すということは大会に出場して賞金を狙うことだけでなく、動画配信サイトなどで自分のプレイ動画を配信して収入を得る、いわゆるストリーマーと呼ばれるYouTuberのような取り組みも含まれます。
あくまでもプロを目指すという思想が多くの参加者、継続者を集めており、これが「健康のためにゲームをやりましょう」だと長くは続いていないでしょう。先々を考えた「本気」の取り組みだからこそ多くの人をひきつけ、多くのメディアに取り上げられる存在になっています。
増加していくアクティブシニア層
米退職者団体AARPの調査結果になりますが、シニア層のゲーマーが増えている理由として、多かったのが「精神的な活力を維持したい」というもので、この理由を選んだ割合は世代別に見ると、50代で64%、60代で67%、70歳以上では72%となっています。また「何かにチャンレンジしたい、問題を解決したい」という理由も多く、こちらは50代で64%、60代で62%、70歳以上では62%という半数を超える結果となっています。
このように精神的な若さを保つためにゲームをプレイする高齢者が増えており、国内でもこの先、40代、50代のゲーマーが年齢を重ね、将来的にシニアゲーマーが増えていくことでしょう。
ゲームに限らずこういったアクティブシニア層は今後増えていくことが予想されます。シニア層の「本気」の部分に響く、シニアビジネスに適したマーケティングを考えてみてはいかがでしょうか。