コミュニティマーケティングとは?~新たなCRMの取り組み
皆さんこんにちは。ライターの磯目です。
今回はコミュニティマーケティングについてのお話です。
近年人口の減少や情報過多によって、単純に情報を一方的に発信するだけでは正しく受け取ってもらえないと言った時代になってきています。更にはコロナ禍の影響でその状況は加速していると言えます。そんな中で近年注目されているコミュニティマーケティングとはどういったものなのか、またCRM(顧客維持管理)やCX(顧客体験価値)への取り組みにどう関係してくるのかをご紹介したいと思います。
コミュニティマーケティングとは?
コミュニティマーケティングとは、その名の通りユーザーコミュニティを活用したマーケティング手法のことです。
一般的には、「既存顧客を対象としたコミュニティ」をマーケティングに活かすことを指します。ネット上でもオフラインのどちらでも、概念としてコミュニティマーケティングという言葉は活用されます。
コミュニティをマーケティング活動、つまりは企業の経済活動を支える一手法として活用するため、そこに集まる人々とは「企業」や「商品・サービス」を軸に集まった消費者たちです。
このように特定のユーザーに対して正しいコミュニケーションを取っていきたいと言った考えから、BtoB・BtoC企業いずれにおいても、この「コミュニティマーケティング」という手法への注目が高まっているのです。
なぜCRMでコミュニティマーケティングの取り組みが必要とされているか
一番の大きな理由としては市場の変化が考えられます。近年国内市場(人口)の減少が年々の課題とされている中で、それに反していわゆる情報過多といった今までにないほど情報の流通量が増加しています。具体的な数字で言いますと、今から約40年後の2060年には日本の人口は約8,600万人になると予想されています。高齢化もどんどん加速し2030年には人口の約3割を超えると推計されています。つまり、生産年齢人口(いわゆる「現役世代」)に該当し積極的にモノを購買・消費する層はどんどん減少していくのです。
それに対してインターネット上での情報流通量は直近10年間で約6倍に増えています。ネット広告やYouTube、SNSなどが情報メディアの代表と言えるでしょう。
ただ情報を発信するだけでは砂漠に一粒の砂を撒くようなものだと言われるほどです。
そんな中で企業が新たな価値を生み出し続け、成長し続けるためには、効果的にコミュニケーションを展開していく手法としてコミュニティマーケティングが注目されているのです。「特定の企業・商品・サービスに関心がある」という共同意識を持つコミュニティを構築し、その中でコミュニケーションを長期的に深めていくことで、消費者に情報を「自分ごと化」させることができるためです。
新規顧客の裾野を広げることよりも、一度接点を持った消費者一人あたりのLTVを上げていくことがカギとなります。
CRMのコミュニティマーケティングで実現できること
1つはコミュニティを通じ、企業とユーザーの距離が近づくことを活かし、ユーザーの声を取得するために活用されるのが一般的です。Nコミュニティが無い場合には、社外の調査会社などに依頼してWebアンケートや個別インタビュー、グループインタビューなどを実施することになります。この部分が素早く手軽でコストも抑えられることが大きなメリットと言えます。
またコミュニティを構築していればそもそも自社の商品・サービスに関心が高い消費者が既に揃っています。そういった人たちに投げかけることにより積極的に企業に協力してくれたり寄せられる声の質も高いことが予想されます。NPS調査など、会員向けならではの調査も効果的でしょう。そういったいわゆる共創マーケティングが実現するのです。
もう1つはユーザーのロイヤリティ向上に直結するということです。コミュニティをCRMに活かすことで、ユーザーが参加して発言・活動し、企業ブランド、商品・サービスについて愛着を深めていくことでファンの醸成が望めます。
また、企業の担当者を交えた双方的な意見交換が行えることにより企業とユーザーの距離が近づき、自分ごと化して捉えるようになることによりロイヤリティ向上に繋がります。更には友人・知人への紹介、いわゆるリファラルによる新規獲得も期待できるのです。
このようなユーザーの質の高い声を取ると同時に、CRM活動の一環としてロイヤリティを高め、新規獲得にも繋げられるといった新しいマーケティング施策の流れを実現させることができるのです。
情報過多の時代、モノが溢れる時代を迎えている中、従来の一方通行のマーケティング手法とはまったく異なるアプローチを通して、長期的に顧客との関係を深めていく手法として、コミュニティマーケティングは可能性を大いに秘めていると言えるでしょう。