健康経営の視点から女性管理職不足の課題と解決策について
健康経営とは
健康経営とは、従業員の健康を経営戦略の一つとして考え、健康課題の改善に取り組むことで、組織力を高める経営の手法です。健康経営に取り組む企業は、従業員のモチベーションを向上させるだけでなく、体調不良によるパフォーマンスの低下や休職によるコストを削減することができます。また、社会的な信頼を得られるメリットもあります。
しかしながら、健康経営に取り組む企業の中でも、女性管理職の割合が低いという問題は、まだまだ多いのが現実です。女性管理職が増えない理由としては、様々な要因が考えられますが、健康経営を積極的に推進する企業においては、特に女性特有の健康問題対策への取り組みは重要視されています。
健康経営と女性管理職が増えない理由
健康経営と女性管理職が増えない理由には、多様な要因が関係しています。これらの要因を解決するためには、企業だけでなく、社会全体で女性のキャリア支援に取り組む必要があります。
まず初めに、健康課題と仕事への影響を考えると、女性従業員の約5割の方が女性特有の健康課題などにより職場で困った経験があり、そのうち多くが月経痛やPMS(月経前症候群)によるもので、管理職においては、そうした問題以上にメンタルヘルスの課題があると言われています。
女性の健康課題が労働損失や生産性等へ影響していることについての認知度は低く、男性や管理職だけでなく女性自身の知識不足も改善してゆく必要があります。
一般的に、女性管理職の割合が低い要因は、女性のキャリア形成に対する社内外の支援が不十分であることです。
例えば、育児や介護などの家事負担を軽減するための制度やサービスが社内で十分に整備されていなかったり、制度やネットワークづくりの機会が少なかったりすることです。
女性が責任ある仕事を避ける背景として、家庭と仕事の両立ができる職場環境ではないことや、男性の育休取得率や家事への貢献度の低さも影響しており、女性の家事労働への負担の大きさが、リーダーといった責任ある職に就くことを躊躇させることにもつながっています。
現在の日本の組織風土
また、日本国内では、残念ながら、女性のリーダーシップや能力に対する偏見や固定観念が根強く残っている部分もあります。例えば、女性は決断力や交渉力が弱いという偏った考え方が存在したり、男性が優位となる組織風土が残っていたりする部分があります。女性のリーダーシップや能力に対する偏見を払拭するには、女性が活躍しているモデルケースや成功事例を積極的に紹介し、ダイバーシティ研修を実施することです。そうした取り組みで、性別や価値観などの違いを受け入れ、多様な人材が持つ可能性を発揮させようとする考え方を定着して、男性優位の組織風土への改善に取り組むことが大切です。
そうした風潮があることもあり、女性自身がキャリアアップに対する意欲や自信が低い部分があるので、女性だからという固定観念の解消も必要になってきます。
例えば、自分の能力や価値を過小評価していたり、過度に家庭や仕事の両立に不安を感じてしまい、会社からの評価やフィードバックを、スムーズに受け入れられなかったりすることがあります。
こうした問題解決を解決するには、女性自身が自分の能力や価値を正しく認識し、キャリアアップに対する意欲や自信を高めることが大切になりますが、女性特有の健康課題に対する取り組みを整備することやリテラシーを向上することが求められます。
家庭や職場だけでなく、地域社会やメディアといった女性を取り巻く環境においても、ジェンダー平等の考え方は推進が加速し始めているので、リテラシーの向上と共に、女性が自ら意思を持ってリーダーになることも求められてゆきます。
健康経営と女性管理職の増加は、企業の競争力や社会の発展にとって重要な課題です。この課題に取り組むためには、多様な視点や価値観を持つ女性が活躍できる環境を整えることが必要です。
女性活躍や女性管理職育成の課題に応えるサービス
日本では、女性の役員比率を2030年までに30%以上にするという目標が掲げられていますが、現実には女性が管理職になるのは容易ではありません。特に更年期に差し掛かる時期は、心身の不調によりパフォーマンスが低下し、退職するケースも多く、これは「更年期ロス」と呼ばれる経済的な損失にもつながります。この問題を解決するためには、女性自身が更年期の知識と対策を持つことと、企業や周りの人も理解とサポートをすることが必要です。
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