フェムテックの先導で生活者の意識行動もオープンに
最近フェムテック関連の製品・サービスが増加傾向ですが、FemTech(フェムテック)とは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品(製品)やサービスのことを指します。
国内のフェムテック市場は現在、20~70代まで広い年代に向けられたサービスが広がっているようです。日本国内では、月経、妊活に関するものから、更年期に関するもの、女性のヘルスケア全般をサポートするものなど、対象世代も幅広い世代に広がり、2020年度では51サービスから97サービスまで拡大しています。
自身の健康や美容、不自由さについて自発的に話せる環境に変わってきた?
これまでは女同士、母子ですら、話し辛かった身体や健康面の悩みを自然にオープンに話せるような、世間の価値観の変容が起きていて、こういったサービスが増えていると推測されますがリアルな生活者視点ではどうでしょうか。
自社で実施したアンケートデータをご紹介します。
自社調査で、自身の健康や美容、生活における不自由さについて他人に自発的に話せるようになっているのか実態を聞いてみました。
【スキンケア】に関して他者への相談意向別に実際に相談をした経験はありますか?
誰にも話したくないが54.4%と話したいと思うを上回り、誰にも話したくない人のうち実際に相談したことはない人が9割弱となり、他人に話さないと考えている人=実際にも話していないことがうかがえます。このようにスキンケアといった世間的にクローズでもなさそうな領域でも他人に話したくない人が大半の状況を踏まえ、次はよりセンシティブな更年期症状での結果をみてみましょう。
【更年期症状】に関して他者への意向別に実際に相談をした経験はありますか?
更年期症状に関して、「誰にも話したくない」が「話したい」を約30ポイント上回っています。ここでもうひとつデータを見てみましょう。
更年期症状に関して、特に顕在化しはじめる40代、50代では、「積極的に情報収集している」や「人一倍知識がある」割合は半数以下と低く、「周囲の経験や適切な情報を知りたい」の割合が高くなっています。加齢による身体の変化であり、あまり人に積極的に話したくないけれど、情報は手に入れたい状況と推測されます。
こういった生活者の意識がフェムテックにより、クローズドだった女性の健康の悩みがオープンになっていき生活者の意識に馴染み普及していくのか、または一部の層に留まるのかも注目ポイントです。
読んでくださった皆さんは日々の不調はどのように対処していますか?男性にも更年期症状はありますし、年を重ねれば性別関係なく不調が顕在化してくる可能性があり、海外に続いて日本国内でもユーザーの性差の隔てのないジェンダーレスなサービスや製品が健康や美容領域で増加傾向にあり、こちらも注目していきたいと思います。