「学校DX」「教育DX」を推進するといわれるChromebook
一年くらい前からChromebook(クロムブック)の名前をネットや家電量販店でよく見かけるようになり、なんだか気になっていました。
Chromebookというと、Googleが開発したPCデバイスで、Google Chromeブラウザ内で操作するクラウド中心で扱うPCという認識でした。
Chromeブラウザでインターネットの他、GoogleのスプレッドシートやドキュメントなどのWebアプリケーションを使って資料作成を行う、と聞くと「Windowsでもできることでは…」と思っていました。
で、よく名前を見かけるようになったので何か変わったのかと思い、色々調べてみたところ下記のような特徴があるようです。
✔ ChromeOSというOSで動く
✔ デバイスの起動、スリーブからの復帰が速い
✔ スペック(性能)が低めの端末でもサクサク動作する
✔ スペックが低くても動くため端末の価格が安い
✔ Androidアプリが動く
他にもセキュリティに強いとか電池持ちが良いとか色々良い点がありますが、なんとなく、WindowsやMacとの違いがわかってきたような気がします。
それでは、Chromebookの国内シェアはどのくらいなのでしょうか。
国内のChromebook市場の動向について、株式会社MM総研の調査結果によると2019年末時点で245,000台(シェア1%)だった市場は、2020年には1,571,000台(シェア13%)まで急増する見込みだそうです。
そして2021年1~3月期を含む2021年には、2,815,000台(シェア24%)に達して、2020年からさらに台数比で79.2%増加すると予測しています。
シェア1%から24%と、この急増にはどんな背景があるのでしょうか?
それはGIGAスクール構想(ギガスクールこうそう)が大きく影響しています。
「学校DX」 GIGAスクール構想(ギガスクールこうそう)とは?
GIGAスクール構想とは、令和元年(2019年)度補正予算に盛り込まれた、全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備するという文部科学省の取り組みです。こどもたち一人ひとりに個別最適化され、創造性をはぐくむ教育ICT環境を実現した令和の時代のスタンダードな学校の構想を指します。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、計画が前倒しされ、2020年度内に小中学校への端末導入がほぼ完了する見込みと言われています。
このような取り組みがなされていたのですね。
1人1台の端末環境は、もはや令和の時代において学校の「スタンダード」であり、特別なことではありません。
教育現場でのデバイスというと、iPadやAndroidのタブレットが思い浮かびますが、GIGAスクール構想で定められている端末仕様では、WindowsPC、Chromebook、iPadが指定されています。
キーボードも必須のため、iPadにもキーボードが備えられることになり、ノートPCのスタイルで統一されているようです。
指定された仕様に準拠したデバイスであれば1台あたり4万5,000円の補助が受けられるということで、各社PCメーカーは4万5,000円以下で調達できるPCラインナップを用意しました。
各自治体は、GIGAスクール構想の仕様に則っとったOSや機種であれば自由に選択できます。
教育DXでChromebookが多く選ばれた理由
MM総研の調査によると、Google Chrome OSを搭載したChromebook(クロムブック)は、人口密度が高い都市部での採用が多い傾向がありました。
これに対して、MicrosoftのWindowsは地方部での採用が多い傾向があり、これは広く普及しているOSを活用したいという意向が理由のようです。また、AppleのiPad OSは、小学校低学年や特別支援学級、特別支援学校など、キーボードレスでの活用を想定するケースで、採用が多い傾向にありました。それぞれの特徴がよく出ていますね。
多くの自治体でChromebookが採用された理由は、MM総研が2020年10月に実施した調査「GIGAスクール構想における3つのOSに対する評価結果」から見えてきます。
小中学生の児童生徒数が1万人以上の全国自治体を対象に、126の自治体から得た回答をまとめたこの調査では、21個の評価項目のうち、約7割にあたる14項目で、Google Chrome OSがもっとも高い評価を獲得し、「Chrome OSは、クラウドを活用した運用管理の負担軽減への貢献などで自治体から高い評価を得た」という結果が出ていたのです。
具体的にいうと、「セキュリティアップデート」や「運用コストへの配慮」、「データ漏えいリスク対策」、「端末初期設定」、「アカウント管理」等といったセキュリティ、運用管理にかかわる項目で評価を得ていました。
これらの評価に加えて、冒頭であげたメリットである、
✔ デバイスの起動、スリーブからの復帰が速い
✔ スペック(性能)が低めの端末でもサクサク動作する
✔ スペックが低くても動くため端末の価格が安い
といった「導入コストが安くて満足に動く端末」という点で導入が広がったと思われます。
ある自治体ではWindowsと比べて現時点では一般的に接触が少ないOSなので、生徒が横並びでスタートできる点を良しとしている話もあり、なるほどそういう見方もあるのかと思いましたね。
学校でChromebook等のデバイスが普及することで、オンライン授業を始め、動画配信による教材やプログラミング、クラウドでの共同作業といった今までの学校教育にはなかった教育内容が多々生まれることで「学校DX」、「教育DX」がこれからどんどん進化していくことでしょう!
ちなみにこの記事もChromebookとGoogleドキュメントを使って書いたのでした!便利!