CXの観点から健康食品やサプリメントは摂取してますか?
現代のストレス社会を生きる中、食生活の栄養の偏りや、健康ブームも相まって2020年度、日本のセルフケア市場の規模は6兆3,016億円。そのうち、健康食品・サプリメントの市場規模は1兆4,095億円という巨大市場であります。
みなさんは健康食品・サプリメントといえば何を思い浮かべますでしょうか?
例えば、青汁や黒酢を思い浮かべる人もいるかと思います。
人によってはDHCやファンケル、ディアナチュラなど企業名やブランド名を思い浮かべる人もいるかもしれません。
またダイエットや美肌効果、抜け毛予防など特定の悩みについて解決してくれる魔法の劇薬のように思われている方も多いと思います。
サプリメントは医薬品ではなく、あくまで食品ですので、具体的な効果を訴求することはできません。あくまで栄養の補助的な役割です。ただし「特定保健用食品(特保)」及び「機能性表示食品に関しましては、「血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける」「おなかの調子を整える」などの保健機能の表示が許可されるものもあれば、「〇〇の機能があります」「〇〇の機能があると報告されています」のような表示が許可されることがあります。
CXの観点からサプリメント飲用における自主調査について
さて弊社では最近サプリメント飲用における自主調査を行いました。
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【調査方法】弊社提携モニター
【対象者】全国 20歳~69歳男女
【調査期間】2021年7月30日~7月31日
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毎日複数回が8.5%。毎日1回程度が20.1%。1日1回以上摂取しているのが28.6%でした。
週に1回以上は42.2%ですので、買ってはみたものの、思い出した時にしか飲まない人もいるのかもしれません。ちなみに私はサプリメント飲用者ではありますが、たまに飲み忘れます。
48.1%と半数近くが月額2,000円未満で加重平均金額は2922円となりました。ちなみに私の月々にかけている料金コストは、、、たぶん月1,000円未満でしょうかね。
上記の「サプリメント利用頻度」と「サプリメント月平均金額」から、サプリメント利用構造実態を上の図のようにまとめました。
1年以内の飲用経験者を月平均金額に応じて3段階に分類します。「毎日飲用あり」かつ「月平均金額3,000円以上(加重平均以上)」をロイヤル層と定義します。ん~私はライト層のようです。
そうして、全体層に対して、ロイヤル層、ミドル層、ライト層で購入したことのあるサプリメントをまとめてみますと下の図のようになりました。
全体ベースでは「ビタミンC」「マルチビタミン・葉酸」「亜鉛・鉄・ミネラル」が上位を占めておりました。また「ビタミンC」は全体含め、各層からも30%以上と人気が高いようです。またロイヤル層では上位項目は全体ベースとほぼ同じですが、「コラーゲン」が5位と上位にランクイン。そのほか「DHA・EPA」「コラーゲン」「ビタミンE」「プロテイン」も全体ベースを大きく上回りました。
またそんな健康意識の高いロイヤル層ですが、意識・実態を調査したところ下の図のように自身の健康状態をいつも自分で把握したいという傾向が全体に比べて10ポイントほど高いことが分かりました。
ロイヤル層は自身の体に対して全体に比べても「普段から歩くこと」や「睡眠時間の確保」にも気を配っていることから健康に対しての意識が非常に高いことが調査から読み取れました。
CXの観点からその健康食品・サプリメント、効果実感できてますか?
私も引用しているのであれですが、効果実感できてますでしょうか?先にも述べましたが、サプリメントはあくまで医薬品ではなく食品ですので、効果を訴求することはできません。またユーザーにとっても効果実感しにくいものかと思います。
例えば飲んだ瞬間に「ジンジンキタキターーーー!!」なんてことはありません。医薬品でもさすがにそれは怖いですね。
その為、実際の健康食品・サプリメントに含まれている栄養成分の摂取における少しづつの効果(実際に効果が表れてくるのは3か月程度はかかるといわれています)やプラシーボ効果(高いお金を払って買っているから効果があるだろう。身体に良い成分を摂取しているからきっと身体によいはずだ!と信じることで気持ちから身体に影響が出てくること)なども多少なり影響が出て、飲み続けていくことに繋がっているのではないかと思います。
健康食品やサプリメントのように効果実感しにくい商材の場合は、例えば販売していく中でF2(2回目の購入)の引き上げ率がどうも低い。LTV(ライフタイムバリュー)が低いから新規獲得を行っても、広告費がかさんで利益が出ないなどの悩みもあるかと思います。その場合、ユーザーのインサイトを理解できてますでしょうか。NPS(ネットプロモータースコア)ではそういったインサイトを理解する調査で、ユーザーの心の満足度を可視化することができます。ちなみに過去に健康食品のECサイトを対象に行ったNPSのサンプルではやはり期待値と実感地のギャップは「商品の効果実感」と「価格の納得感」で比較的表れやすい傾向でした。
健康食品・サプリメント1つとっても、(当然客観的な効果のエビデンスの有無の影響は大きいものですが)売れ続けるサプリメントとなかなか売れず、売れてもリピートしてもらえないものもあるかと思います。そういうときこそ顧客のインサイトである体験価値(CX)に着目してみるのも良いかと思います。