割付とは
こんにちは、割り付けマニアのためごろうです。
今回は調査を行うにあたって、避けては通れない”割り付け”について書きたいと思います。
そもそも割り付けってどういう意味なのでしょうか?日常会話ではあまり聞かない言葉だとは思いますが、辞書で調べると、以下2つの意味があるようです。
①勢いよく断ち割る。強い力で切りつける。
②全体をいくつかに分けて、分配する。割り当てる。
①は瓦割とか居合切りのようなイメージでしょうか。当然ですが、調査には関係なさそうですね笑。なので、意味としては②になります。
調査における「割付」とはどういう意味なのか
一言で説明するならば、「割付」とは、どのような条件の人をどれくらい集めるかを決めることです。もう少し具体的にしてみましょう。
ではこんな調査をするとします。
〆SNSを週に1回以上投稿する人の購買行動を各年代で調べる。
割付がない場合は、回収は完全ランダムな状態になります。そのため、1,000サンプル集めるとしたら、特定の年代だけ全く集まっていないことが発生する可能性があります。
イメージとしては、20代30代が大半を占める以下のようなイメージです。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
400 | 350 | 150 | 70 | 30 |
そうなると、50代~60代は、サンプル数が少ないため、十分な分析が叶いません。
せっかく調査したのに特定の年代のデータが少ない(あるいは無い)ため、有意義な調査結果にならないのは非常にもったいないです。事前にこの条件の人をこれだけ集めると設定(割付設定)することが大切です。
例
各年代=200
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
200 | 200 | 200 | 200 | 200 |
各年代男女各=100
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
男性 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
女性 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
「割付」を考えてみよう
割付の方法としては、主に2つありますので、ご紹介します。
「割付」を考えてみよう
均等割付とは、各条件・各項目で同じサンプル数を集める割付です。
性別ごとの違いを把握したい、サービスごとの差を比較したいなど、項目ごとの差を知ることができます。上記の例は均等割りになります。
注意点としては均等割付のみで調査を行った場合、全体の数はあくまで割り付けられた全体の数(上記で言うと1,000)であり母数団の構成とは異なることです。
母集団とは、例えば日本の市場全体の傾向を把握したいのに、均等割り付けは母集団となる日本の人口構成比に合わせていないため、統計的に傾向を見ることはできません。
母集団の構成比に合わせた割付
特定の母集団の比率に合わせてサンプルを集める割付です。例えば、日本の市場全体の傾向を把握したい場合は、日本の人口構成比に合わせた割付を設定することで、傾向を知ることができます。
でも実は、母集団の構成比に合わせた割り付けにしなくても、あとから集計の方法で構成比を合わせるウェイトバック集計という方法があります。
ウェイトバック集計とは
ウェイトバック集計とは、回収されたサンプル(標本)を母集団の構成にあわせて集計する方法です。ウエイト(weight)は「重さ」という意味で、ウエイトバック集計は「重みづけ」とも呼ばれています。
ウエイトバック集計によって、アンケート回収データは母集団と同じ男女比で集計されます。集計の手順は、また別のブログでご紹介したいと思いますが、男性と女性各々の年代などの集計結果は変わらないまま、全体(男女計)の数字が変わることになります。
調査を設計するのに大事なこと
調査を行う際に、まず最初に割付を決めることはありません。
まず、そのアンケート調査で何を知りたいのか、どのような目的で調査を行うのかを考えることが重要です。どんなことを知りたいか、目的が何なのかを最初に明確にすることが重要です。それが決まってから、はじめて割り付けを考えていきます。
オノフでは、調査が初めてというお客様も、頻繁に調査を行っているお客様でも、調査を行うに至った背景や課題をヒアリングし、課題やご予算に沿った調査手法、内容をご提案させていただきます。
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