コンセプト調査とは?種類・メリットを解説
こんにちは。デジタルマーケティングカンパニー・オノフの磯目です。
皆さんはコンセプト調査についてご存じでしょうか。近年ユーザーの消費行動が変わり続けている中で、どうすれば消費者ニーズにあったものを届けられるかといった課題に常にぶつかっている企業も多いかと思います。今回はそういった悩みや今後新商品やサービス開発などで必ず必要になるコンセプトの策定と評価などに役立てる調査手法をご紹介します。
コンセプト調査(コンセプトテスト)とは
コンセプト調査(コンセプトテスト)とは、生活者インサイトから新しく作り上げた製品・サービスのコンセプトがどの程度、生活者に受け入れられるか、その受容性を調べることを目的とした調査です。具体的には、ターゲットとする生活者にどれくらい受け入れられるのか、ニーズにマッチしているのか、コンセプトで強化・改善すべき内容はどこか、といったことを調査であきらかにします。
例えば、商品開発において消費者が重視する点はどこか、商品の便利さ、またはデザイン部分といった調査することで、事前に消費者のニーズにマッチしたものにブラッシュアップすることができ、それに沿った商品作りをすることで、販売不振のリスクを軽減することができます。
コンセプト調査の種類について
コンセプト調査は大きく分けて、製品コンセプト・広告コンセプトの2種類があります。
製品コンセプト
製品を開発する前の段階でコンセプト調査を実施することを製品コンセプトといいます。製品化する前に調査を行うことで、ターゲット(顧客)となるユーザーに対し、購入したいと思える製品コンセプトかどうかといった市場価値やニーズを調査することができます。そのほか商品に需要があるかどうかや競合商品、サービスからのリプレースが見込める要素などを洗い出すことが可能です。
広告コンセプト
プロモーション施策を行う際に商品のセールスポイントなどの検証を行うことを広告コンセプトといいます。広告コンセプト調査では、キャッチコピーや採用するキャラクター、タレント、クリエイティブのデザインイメージなど、複数案を用意し、どの表現が最もターゲットに響くかを調査します。当然広告に関しては一度の発信でうまくユーザーニーズにマッチすることも難しいのでPDCAサイクルを回していく中で、広告コンセプト調査を都度行っていく必要があります。
以上がコンセプト調査の種類です。
コンセプト調査の実施方法
商品、施策の内容、ターゲットとなるユーザーによって異なりますが、基本的なコンセプト調査の実施方法をご紹介します。
① 調査企画設計
まずは調査設計です。どのような調査にも共通していることですが、コンセプト調査においても、調査企画は最も重要な工程です。大きく分けて3つのポイントを整理し、調査によって何を得るべきか明確にしておきましょう。
1.課題(調査の背景となる現状の課題)
2.目的(課題に対しどのような目的で調査を行うか)
3.仮説(調査によって得られる結果やユーザーの反応など)
② 調査方法の選定
次に、調査方法を決めてアンケート内容の作成に進みます。調査方法を選ぶ際には、それぞれの特徴をしっかり理解し、調査したい目的とターゲットに最適な方法を見出すことが重要です。
コンセプトテストの主な調査方法としては、3つの方法が挙げられます。
ネットリサーチ
オンラインアンケート調査いわゆるネットリサーチです。インターネット上でモニターにアンケートを実施する方法です。一定のネットリテラシーのバイアスなどは想定されますが、最も王道的な手法ではあります。
グループインタビュー
グループインタビューとは、複数名のモニターを1箇所に招き、その場でアンケートや聞き取りを行うものです。会場を使用したリアルでの実施やオンライン会議ツールを使用した実施も可能です。
会場調査
会場調査は、モニターを特定の会場に集め、アンケートや聞き取りを行う調査方法です。こちらはグループインタビューと違い実施人数の点からオンラインでの実施が難しくオフラインが推奨されるため、モニターの居住エリアの制限が発生する場合あります。
③ 調査票作成
次に調査企画、調査手法をもとにした、調査票作成をします。評価法には、1つのコンセプトについて評価してもらう方法と複数のコンセプトを比較しながら評価してもらう方法があります。どちらが適切かについては、調査目的に合わせて選定していきます。
④ 集計・レポーティング
次に得た結果から、集計レポーティングを行います。こちらの内容や手法については調査方法によって大きく変わりますが、集計であれば単純集計(質問ごとに、どれくらいの人がその質問に答えたのかと、その質問に答えた回答比率等を出すもの)とクロス集計(単純集計で明らかになった値を、性別・年齢・地域・その他の質問などと掛け合わせて集計するもの)で実施。レポーティングは、オンラインアンケートでの定量的な調査であれば、集計データを用いてグラフでまとめ、グループインタビューなど定性的な意見収集をした際には回答者ごとのインタビュー内容のまとめやサマリーなどで取り纏めます。
コンセプト調査の事例
コンセプト調査を実施された企業が抱えていた課題や解決した事例を紹介します。
目的
・子供向け商業施設の新規開業のプロモーション用広告のコンセプト調査
→魅力的に感じるメッセージや訴求内容を明らかにしたい
課題
・東京、関西は一定の顧客数を有するため、大幅なコンセプト変更は困難
・会社として事業拡大のために、どういった顧客を獲得すべきか、その顧客を獲得できた際の伸び幅を算出
・事前の調査から、○○層の拡大が事業拡大のポイントと推察されるが仮説があっているかどうか
実査内容
単純なコンセプトの調査ではなく、ユーザーを細かくセグメントするための基本情報や趣味嗜好、実際に子供の情報など聴取し、仮説の深堀を行った。
結果
結果からこどもに対する教育の熱意や将来のビジョン、子育ての方針によって刺さるメッセージが異なることが分かった。
ユーザーが魅力的に感じるポイントが異なるため、様々なコピーとクリエイティブをメディアに応じて出し分けることで、新規の獲得につなげた。
まとめ
コンセプト調査を行うことで、自社内だけで考えていると抜け落ちがちな「消費者のニーズ」という観点が正しく把握できます。弊社では、リサーチ部署を立ち上げてから10年の実績があり、年間数千点の調査を請け負っております。調査の要件が固まっていないが壁打ちしたいといったご依頼も可能です。是非お気軽にご相談ください。