値上げラッシュはなぜ起こった!?値上げしても売れると思われるものを分析
こんにちは。デジタルマーケティングカンパニー・オノフ、編集長のためごろうです。
昨年より連日値上げのニュースをみますが、スーパーに買い物に行っても野菜や調味料など何となく値上がりしているなと実感することが多いです。先が見えない値上げラッシュにお財布のひもも固くなっている中、企業はどのように消費者に選ばれるようマーケティング戦略を立てればよいか解説しております。
なぜ、値上げラッシュ?背景と要因は?
2022年後半から値上げのニュースを見た方は多いかと思います。
日本だけではなく、世界的にも続いている値上げラッシュ。
原因は大きくは3点あります。
原材料価格の高騰
日本は、大豆などの穀類をはじめとした原材料を輸入に頼っています。新型コロナウイルス影響で、物流関係者の人手不足や、解除輸送の高騰により価格が高まっております
ロシアによるウクライナ侵攻の影響
2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻。ウクライナからの流通がつまった影響で、「ひまわり油」が高騰。
それにつられてひまわり油の代替品の「菜種油」、菜種油の代替品のパーム油が高騰しました。油が値上がりすると、製造工程に油を使うカップ麺やスナック菓子、洗剤やシャンプーもつられて高騰。余波が広がりました。
円安の影響
2022年6月以降、急激な円安となりました。
10月には146円に達し、1998年以来の安値を記録しました。円安は原材料を輸入している食品メーカーや石油製品メーカーに打撃を与えました。日本は長い間デフレを経験している為、消費者は値上げに敏感です。
昨年より、ステルス値上げなどで炎上している企業もありますが、長い企業努力の末に価格を維持してきたことに限界がきて、値上げに踏み切った企業も多いようです。
2022年、値上げしたものは?食品が目立つ
2022年、値上げしたものをあげるときりがないですが、やはり食品が目立ちます。
例えば小麦粉や食用油が値上がりしているので、それらを原材料としている即席麺やレトルト食品、冷凍食品や菓子類などもつられて値上がり。
また物流・包装資材の値上がりと円安により加工食品や調味料が値上がりしております。
値上げラッシュの今むしろ値下げしている商品は?あえて値下げに取り組む企業も
連日、値上げのニュースばかりで値下げしている者ってあると思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は値下げしているものも意外とあるようです。
速達料金
はがきや手紙などの郵便料金が10円値下げとなりました。
固定電話から携帯電話の通話料
NTT東日本とNTT西日本は、固定電話から、携帯電話への通話料金を下げしました。
NTTドコモ・ソフトバンク・KDDIへの通話料金は2割の値下げとなりました。
銀行の振込手数料
メガバンクを中心とする銀行が相次いで他行宛ての振込手数料を値下げしました。各銀行が共通してりようしている送金システム「全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)」の利用料が下がった為です。
新米・牛乳
食品類は多くが値上げしましたが、新米は値下げとなったようです。
前年同時期に比べると5%ほど安くなっております。安くなった背景は、コロナウイルスの感染拡大による外食需要の減少です。在庫が増加し、米余りとなった為、値段が下がりました。
また給食で利用が減少した影響で牛乳も値下げされております。
あえて値下げに取り組む企業も
輸入品が多いアパレルや、現在料の高騰で苦しい外食産業でもあえて値下げに踏み切っている企業もあります。例えばバーミヤンや幸楽苑、GUやアルペン、ニトリなど、値下げに踏み切っております。生活応援などのプロモーションを兼ねている企業が多いようです。
値上げしても売れると予想されている商品は!?
一方で販売戦略が成功し、値上げ後も好調に売れている製品があります。
過去の販売データより分析をすると以下3点があげられます。
ブランド力が高い商品
ブランド力が強いと言われている商品は値上げ後も売り上げ増をキープしているようです。
例えば日清製粉ウェルナの「マ・マー」
昨年比よりも売り上げが伸びている2位はPB(プライベートブランド)がランクイン。
健康を意識した商品
値上げが続いて精神的に疲れている方も多いかと思いますが、どうせ高いなら健康系と思う方が増えているそう。例えば食用油なら、ヘルシーオフなど健康機能を売りにする商品が売り上げを伸ばしている。
定番のものよりも価格は貼るがどれも値上げしているなら機能を重視しようという層が増えていることが背景。
外食気分を自宅で味わえる商品
例えば、スターバックスや吉野家などです。コロナで外食をあまりできなくなったことと、リモートワークが増え家にいる時間が長くなったため家でちょっと外の雰囲気を感じられることが受けている理由です。これらの商品は外食をするよりは費用をおさえられるため、少し高くても買ってしまうそうです。
またメーカーも自宅での食生活を考慮した設計になるよう、家庭向けのミニサイズを意識、手軽に食べられる工夫をしたことが消費者にうまくささったようです。
値上げには消費者理解を理解したマーケティング戦略が重要
相次ぐ値上げラッシュで、消費者は以前より何にいくら使うか考えられるようになっております。
大事なのは、なぜ自分はこれを買うのかという理由付け。
先に述べたように社会背景に沿った健康意識、自己投資、QOLの向上など消費者心理を理解した上でマーケティング戦略・商品開発が必要です。
そのためにもまずは商品の特性を理解することも大切です。
例えば麦茶の場合、よく売れるのは夏ですが、冬にもよく買う顧客層がいます。これば麦茶がカフェインレス、ミネラルが豊富である為、美意識や健康意識の高い女性に好まれることが推察されます。伊藤園は10月に値上げを実施致しましたが、結果的に11月は前年同月よりも売上が上がった結果となりました。
POSデータをもとにABC分析で過去の売上を分析し、商品のトレンド感を把握しRFM分析で顧客ランク付けをすると良いでしょう。またPOSデータ以外にも9Seg分析により自社商品の顧客層の分布を可視し市場間を把握するのもよいでしょう。
ロイヤル顧客をあぶり出しなぜその商品を買うかデプスインタビューに繋げることが可能となります。自社商品の特性を正しく理解し、消費者心理に寄り添うことが価格コンシャスからの脱却となります。独自のブランドを築くことで、値上げでの消費者離れを防ぐことに繋がるでしょう。