セグメントとは?初めての方にも分かりやすく解説
明けましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い致します。
ライターの杉山です。
2023年最初の記事は「セグメント」についてです。
参考になる記事になればと思います。
セグメントとは?
セグメントとは、市場の見込み客を特定の条件で絞りこんだグループのことを指します。絞り込む条件として、年齢や性別、購買傾向、地域、趣向・行動情報などが挙げられます。このように条件を用いてセグメントを設定することを「セグメンテーション」と言います。日本語では「市場細分化」と言われる場合もあります。
またセグメントは、マーケティングの第一段階で行われるものであり、例えば自社の製品を効果的に売り出すために、セグメントを利用してターゲットを絞った商品のアピール方法を導き出すことができます。こうすることで、ターゲットにより刺さる商品の開発にも役立ちます。また、経営の分野などでは、企業内の事業や部門、展開地域等でグループ化することもあり、このグループ化から見えてくる情報をセグメント情報と呼ぶこともあります。
セグメントを行う為の4つの条件
セグメントを行うにあたって代表的な手法があります。基本的には、「4R」と「4つの変数」を基準として骨組みをつくり、セグメントすることが有効とされています。この骨組みは、フレームワークという言葉で表現されることも多いですが、実際にセグメントを行っていく過程ではマーケティングの担当者があらゆるデータを参考にできることが重要です。そのために、データの統合や収集・活用がしやすい環境をつくっておく必要があります。次に「4R」について説明させて頂きます。
Rank(優先順位付け)
優先順位についての条件のことを指します。セグメントを優先順位によってランキング化し、順位の高いものからターゲットにしていきます。そのためには、マーケティング戦略を有効にしておく必要があり、「何のために何を行うべきか」によって、Rankでの分類が決まってきます。
自社サービスについての資料請求の数を高めたい場合、見込み度の高さがRankに大きな影響を及ぼすと考えられます。したがって、ここで優先順位が高くなるのは、既に自社サイトにアクセスしたことのあるユーザーとなります。
Realistic(有効規模)
規模の有効性を指します。設定する市場が実際に売上や利益をあげることができる大きさなのか、という視点で評価します。確度の高いターゲット層であったとしても、利益が十分に見込まれるだけの市場の大きさがなければ、ビジネスとして成り立たないと判断されることは少なくありません。
Reach(到達可能性)
自社の商品やサービスなどをどこまで届けられるかを調べる条件を指します。自社の流通ルートでどこまでの範囲なら利益が出るのか、Webの広告が見込み客にアクセスされているのかなどがポイントとなります。ここを考慮してセグメントの設定をしていくと、範囲を絞りやすくなります。
Response(測定可能性)
設定したセグメントにセールスやプロモーションを行ったとして、その後の反応が測定できるかどうかという条件を指します。セグメントの属性や行動履歴などを定量的に測定できるかどうかもポイントになります。
セグメントの目的
セグメントは、自社の商品やサービスなどをより必要性の高い人々に向けて届きやすくするために、広告や宣伝、商品の開発や販売、その戦略に役立てることができます。多様化する顧客のニーズの中でターゲットを絞り選ばれやすいものを展開した方が効果的という意味で重要視されています。
セグメントされた特定のターゲットに向けて広告や宣伝をすることができれば、より必要性の高いターゲットに働きかけられ、ターゲット層に対してより心に刺さる広告作りが可能となります。またトレンドの予兆からニーズが把握しやすくなることで、今後流行りそうなものやニーズに合った商品・サービスを生み出しやすくなります。更に、商品やサービスにマッチするセグメントの発見することにより、より効果的な販売戦略が可能となり、利益率を高めやすくなります。
セグメント後に行う戦略
セグメントが終わったら、自社のターゲットにする顧客層を決定するターゲティングや、ターゲティングした市場の顧客に、自社の商品やサービスをどのように認知させるか、戦略的位置づけを指すポジショニングといったことに併せて、“STP分析”を用いてマーケティング戦略を練る作業に入ります。
“STP分析”とはS(セグメンテーション)、T(ターゲティング)、P(ポジションニング)の頭文字を取ったものになります。新規参入にあたり、市場全体の中でどの分野を狙い、自社が競争優位なポジションニングはどこかを決めるためのマーケティングのフレームワークです。STP分析の進め方として、市場を細分化→標的とする顧客層→市場の位置づけの順で行うのが基本です。自社の競争優位なポイントがあればその点を優先すると競合との競争に勝利する可能性が上がります。
セグメント事例
セグメントをうまく使いこなせれば、マーケティングの成果は飛躍的に改善します。下記で具体的な成功事例を紹介します。
パナソニック
PC市場は1990年代終わりからビジネスから一般家庭へ拡大し、パナソニックは外回りの営業サラリーマンにターゲットを絞り商品開発を行いました。それに伴い、PCの軽さ、バッテリーの持続性、太陽光下でも見える高輝度モニタ、防水、セキュリティを強化しました結果、本商品は市場内で長期間、首位の座をキープすることに成功しました。同じニーズを持つ顧客を細分化し、感度の良い切り口を見つけられた事が成功のカギとなりました。
ホンダ
ホンダは1959年にアメリカに参入し、アメリカのバイク市場の8割はハーレーダビットソンがシェアを持っていました。黒いレザージャケットを着た荒くれ者が乗るものというイメージの「バイクといえばハーレー」と真逆の「善良な市民が日常の足として乗るもの」というセグメンテーションを見出し、数年後には、ハーレーをはるかに凌ぐ市場へ成長することに成功しました。市場を反対から見ることで新たな市場の創出に繋げることが出来ました。
ユニクロ
ファッション業界は、多様化した趣味趣向や変わり続ける流行に応じてセグメントテーションし市場を細分化してきた業界である中、ユニクロはその細分化された市場を逆に統合し、大きく据え直すというセグメンテーションで成功しました。市場を分類するのではなく、ニーズに合った市場を生み出すために使う事で大成功を収めました。
セグメンテーションの肝は、顧客ニーズの特定にあります。業界視点、提供者視点から抜け出し、顧客視点に立つことが最も重要です。
以上セグメントについて細かく解説させて頂きました。
弊社ではCRM・デジタルマーケティング等の無料相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。