Z世代が、実体のないNFTを買う理由を考えてみます。
デジタルマーケティングカンパニー・オノフの編集長のためごろうです。
Z世代の購買行動が従来と大きく違っている点は、モノを購入することや所有することに執着していないことではないでしょうか。彼らはモノを消費することよりも、体験することや仲間と体験を共有することにも関心が高い傾向があります。では、NFTを買うのはなぜでしょう?これらについて解説してみます。
Z世代が、実体のないデジタルコンテンツ(NFT)を買う理由
今回は、Z世代が、実体のないデジタルコンテンツ(NFT)を買う理由を考えてみます。
Z世代の購買行動が従来と大きく違っている点は、モノを購入することや所有することに執着していないことではないでしょうか。
モノを消費することよりも、体験することや仲間と体験を共有することにも関心が高い傾向があります。
保有することに価値があるハイブランドよりも、コストパフォーマンスや実用性が高く本当に良いと思えるものを基準として商品やサービスを選択している人が多いようです。
消費をしないのではなく、本当に自分が価値を感じているものにお金を使いたいのであり、無理して不要なものに消費をしていないのではないでしょうか?
SNSが欠かせないコミュニケーションツールなので、比較的SNSを通じたオープンなコミュニケーションにも慣れており、それが日常だとも言えます。自分の意見や関心があることをSNSで公開することを自然に行っていることもあり、多様性への理解も深く、自分の価値観や世界観を大事にしている人も多いです。
NFTとは?何ができて、どんなメリットがあるのか?
NFT(Non-Fungible Token)とは、代替不可能なトークンのことで、デジタルコンテンツが保有する情報を唯一無二の一点物の価値を証明できる印のことです。
NFTが注目される理由は、デジタルコンテンツという、簡単に劣化させずにコピーできるデータのオリジナル性を証明できるようになったことです。
現時点では、NFTという言葉が一人歩きしている部分もあり、アートNFTの価値が高騰の末に、暴落してしまうなど、NFTについて懐疑的な意見もありますが、大きな可能性を持っている技術だと思います。
アートNFTとして、アート作品の価値がない作品が市場にあふれるようにでてしまったことが問題であり、バブルがはじけることで本来の利用価値に注目すべきではないでしょうか。一例として、NFTチケットとよばれるチケットをNFTを活用してデジタルデータ化したサービスで生まれるメリットを整理してみましょう。
もっともわかりやすいメリットが偽装ができなくなることです。
人気のコンサートチケットなどは、ネット上で高値での転売などが問題となっており、また詐欺行為などもまん延してしまっています。NFTを活用することで、チケットの譲渡も安全にできるようになります。
もう一つのメリットがチケットを価値あるものとして保存できることです。
自分の好きなアーティストのコンサートに足を運んだ時に、ファンの方は、そのチケットを記念に保存することがあるのではないでしょうか。
いつ、どのアーティストのコンサートを、どこで観たかが、デジタルデータで証明できることは大きな価値があることになります。こうした過去の体験などを証明付きで共有したりできることで、ファン同士の交流やイベント後のアフターイベントなどにも活用することができます。
NFTで価値を生み出せるもの
デジタルデータであるNFTにお金を払うことは、実体的な価値があるものに限られるように思われますが、データを保有することや購買することで生まれる価値に注目する必要があります。
NFTアートを投機だと考えるのではなく、好きなアーティストを応援するために購入する活動だと考えてみると生み出される価値が大きく変わってきます。
自分がお気に入りのアーティストを応援するためにNFTアートを購入して、その購入体験を共有することは、大きな価値をもつ活動になります。自分が応援しているアーティストが成功してくれることは嬉しいですし、いつから、どんな形で応援しているのかが、データとして証明できることは大きな価値になります。
体験や活動をデジタルデータ上で証明できることは、様々な価値を生み出すことになります。モノではなく体験に価値を見出しているZ世代は、SNS上で多くの人と交流をします。同じ趣味や価値観を持つ人と情報を共有すること容易にできるようになりましたが、その時に情報のオリジナル性が保証されることは大きな価値を生み出します。
それがニッチな趣味や価値感であっても、自分の本当に好きなものを認めてくれる同志を見つけることができる点は、大きな価値になるはずです。