市場調査の調査設計の方法は?手順とポイントを分かりやすく解説
こんにちは。デジタルマーケティングカンパニー・オノフのすぎやまです。今回は、調査を行うにあたって最も重要な「調査設計」に関してご紹介したいと思います。是非ご興味あれば、最後までご一読頂ければと思います。
調査設計の重要性・必要性
「調査設計」は、良い市場調査を実施できるかの大部分が決まると言っても過言ではなく、調査全体に及ぼす影響が大きい作業であるため、重要性が高いです。また「調査結果」は組織の意思決定に役立ってこそ、初めて価値が生まれるため、価値を見出すためにも多種多様な課題、調査によって得たい情報、調査手法や実施方法をうまくまとめ上げて、マーケティングリサーチが最終的に有益な情報入手につながるよう導くのが「調査設計」です。
調査設計の事前準備
上記で「マーケティングリサーチが最終的に有益な情報入手につながるよう導くのが「調査設計」です。」とお伝えしましたが、アンケート結果をどう活用していくかの”ゴール”をあらかじめ設定しておくことで、中身が充実したアンケート内容を作成することができます。
次にゴールを決めるとなった際に、ゴールに向かうための課題を考えるステップに移ります。課題を明確にすることで、課題を解決するためにどんなことをアンケート調査で聞けばよいかが明らかになる為、仮説を立てて課題を洗い出してみることがポイントです。集計したデータを正しく活用するためにも、背景や目的を明確化し、調査設計をしていきましょう。
調査設計の手順
ここでは実際に調査設計を行う際の手順をご紹介します。前述している事前準備の内容を更に細かく説明しています。
課題の明確化
まず調査設計を行う際に、マーケティング課題の明確化することから始めます。例えば「問題点は何か」「既存店売上が減少している」「新商品の売れ行きが芳しくない」「自社サイトのアクセス数が伸び悩んでいる」等、自分たちが困っている問題点を明確にします。課題を明確化することにより、そもそもリサーチが必要か否か・出来るかできないかの判断にも繋げることができます。
調査目的の設定
課題点が明確化された後、その課題が発生している“原因”を深堀していきます。ここで注意することは「既存店売上が減少」→「既存店売上をアップさせる」のように、“単純に問題点を裏返しにしない”ことです。これだと、具体的な問題解決には繋がらないので、問題点を深堀し、その原因を明らかにすること、問題に対して「なぜ?」を繰り返すことがポイントとなります。
・課題検証
・市場のニーズの把握
・商品企画案の候補の絞り込みや数値の結果把握
・施策の結果検証
現状分析
調査目的の設定が完了したら、商品やサービスの強みや弱み、市場規模、市場での位置付け等、現時点で集められる情報を集め、現状を分析します。現状分析は、入手できる情報だけで分析を行うため、必ずしも的確な分析は出来ませんが、何かしらのヒントに繋がる場合があります。
この“ヒント”を見つけ出せるかどうかが調査設計者に問われる重要なスキルです。またこの分析が出来るかどうかで、調査設計の質が大きく変わってしまいます。そのため、外部専門家の力も借りて分析することも視野に入れることがポイントです。
仮説構築
現状分析から見出したヒントに基づいて、問題が発生している「原因」の仮説を立てます。
仮説を立てることで、具体的に入手すべき情報の方向性が見えてきますが、仮説はあくまでも「想定でしかない」ということを忘れないことが大切です。そのため、仮説は1つに限らず、2~3つ程度立てておくと良いでしょう。
調査後のアクションの想定
仮説立案の後は、仮説が裏付けされた際のアクションを想定します。仮説の裏付けが具体的なアクションに繋がらなければ課題は解決されないため、裏付けとどのようにアクション出来るかをセットで考えることがポイントとなります。また、調査後のアクションは「理想が高すぎない」「現状に流されすぎない」という2つのポイントを、うまくミックスさせて想定することもポイントとなります。
調査計画の作成
調査設計の最後の工程は「調査計画」です。「調査対象」と「調査手法」、「期限」、「予算」を決めていきます。
調査項目に応じて、必要なサンプルサイズを考慮しながら対象者を設定、取得したいデータに応じて調査手法(定量調査・定性調査)を選定し、調査結果を具体的なアクションに繋げるために必要な期限の把握、そして最後に規模感を考慮して予算を決めます。
調査設計のコツ
調査設計を行うにあたってポイントはいくつかありますが、その中で2点ポイントを抑えてみます。
仮説思考を持つこと
簡単に言うと「なぜ?」という意識を持つことです。「なぜそれを求めているのか」という背景を想定することが「仮説思考」なので、仮説思考を持つことによって、問題の本質を理解するスキルが身に付き、そのスキルが調査設計に反映されます。
詳しい人に相談する
失敗しながらスキルを高めていくという方法もありますが、それには時間と環境が必要になってきてしまうため、まずは詳しい人に相談して調査設計の作り方を学ぶことが重要です。
調査設計は調査を行う上でとても重要なステップです。そのため、「何のための調査か?」「調査で何を明らかにすべきか」「誰を対象とした調査か」「どのように調査を行うのか」「具体的にどんなことを聞くのか」「どのくらいのサンプル数を集めるのか」という“原点”を考えながら調査設計を行っていくことが大切です。
弊社では調査に関する無料相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。