「ググらないZ世代」が本当ならそもそも企業サイトを見てくれるのか?
デジタルマーケティングカンパニー・オノフのミチシタです。
「現代の若者は、検索エンジン離れが進んでいる。」マーケティングやSEOの記事でよく目にする話題ですが、これはWEBサイトが企業や個人ブロガー等のSEO対策によって表示順が操作されているため、正しい情報、欲しい情報が得られないという点と、SNS上の検索やハッシュタグで情報を得られるため、「ググらない」(Googleでの検索行為から離れている)といったものです。
SEOで操作されているからといって上位に上がってくるWEBサイトの全てが間違った情報を掲載しているわけではないので、懐疑的ではあったのですが、果たして本当に若者(Z世代)はGoogleやYahoo!等の検索サイトで検索しないのでしょうか?
「安心してください。検索してますよ」
博報堂生活総合研究所の調査結果によると、Z世代は検索をしないというのは必ずしも事実ではないというのがわかります。
まず、20代のブラウザ検索回数が増えていることが調査データから見えてきました。2016年が約30回、2020年が約40回と1ヶ月の平均検索数では増えています。
しかも2016年から30代、40代より多い回数です。
また、Z世代特有の行動として興味深いのは「20代の約2人に1人は、ブラウザ検索をしているときに、同時にTwitter、Instagramも使っている」、「約4人に1人は、ブラウザ検索と同時にLINE, YouTubeを使っている」という2点です。
これはSNSでわからない言葉、知りたい事柄が出てきた際に、GoogleやYahoo!等の検索エンジンで検索し、その後SNSにまた戻るといった行動をしているのです。
つまりSNSの利用頻度が増えることで検索エンジンの利用頻度も増えているのです。
SNSと検索エンジンは共存しており、そのため「Z世代はググらない」は事実とは言えないので、「これからはSEOじゃなくSNSマーケティングに注力するのだ!」というのは必ずしも正解ではないと言えます。
もちろん、業種や商品カテゴリによってはSNSマーケティングに注力した方が良いものもありますが、その場合にもSEO対策は最低限行っておくことが大切ですね。
危ない危ない、Z世代は変わらず検索しています。むしろバリバリ検索しています。
では、企業サイトも見てくれているのでしょうか?
企業の公式サイトも見てくれている?
Z世代も検索はしていることがデータからわかりました。それではオノフでも作成しているクライアントのサイト、所謂「企業の公式サイト」は見られているのでしょうか。
ここではコーポレートサイトではなくECサイトに目を向けてみます。
ECにおけるZ世代のデータでは、公式WEBサイトと公式アプリの利用の興味深いデータがありました。
株式会社ランチェスターによる調査「Z世代の購買活動に関する実態調査」で「公式アプリと公式Webサイトのどちらの方が嬉しい・商品を購入したいと思いますか。」という設問があり、この設問の回答では「公式アプリ」が48%、「どちらかという公式アプリ」が31%と7割が公式アプリと回答しています。
アパレルではZ世代の約8割が「公式アプリ」での商品購入を希望
こちらはアパレルに限定した設問・回答になりますが、こちらでは約8割が公式アプリで商品を購入したいと回答しています。
さらに「公式アプリ」「どちらかというと公式アプリ」と回答した人を対象に、「企業公式アプリ」の方が嬉しい・商品を購入したいと思う理由を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「見たいときにすぐに開くことができるから」が62.0%、「操作性が良いから」が55.7%、「ログインし直す手間がないから」が46.8%という結果になっています。
加えて「わからない/答えられない」以外を回答した人を対象に、「企業公式アプリの方が嬉しい・商品を購入したいと思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、「操作中にフリーズしにくいから」や「特別なポイントがある」などの回答が得られています。
一方、「公式Webサイト」「どちらかというと公式Webサイト」と回答した方に「企業公式Webサイト」の方が嬉しい・商品を購入したいと思う理由を教えてください。(自由回答)」と質問したところ、「PCをよく使うから」や「アプリを入れるまでが面倒だから」など12の回答が得られた。
アプリインストールの面倒さより、アプリのレスポンスの良さを求めた結果になっているようです。
自社の業態・商品カテゴリ特性、ターゲット把握が大事
以上のデータから「Z世代は検索エンジンで検索する」ことがわかり、且つECにおいてはWEBのECサイトより公式アプリでの利用が多いことがわかりました。
WEBのECサイトは最低限作るとは思いますが、自社のターゲットが若者・Z世代である場合は公式アプリから始めるのも、限られた予算の中での選択の1つかと思います。
このように自社の業態・商品カテゴリの特性、ターゲットの把握をしたうえで、最適な施策を行っていきたいものですね。
さいごに
もっと詳しく若年層マーケティングの事を聞きたい!
など少しでもご興味ございましたら、お気軽にご相談ください。お待ちしております。