「デプスインタビュー」とは?見積もりの方法やメリット・デメリットを解説
こんにちは。
ライターの杉山です。
以前、インタビューの種類ごとの意味を解説しましたが、今回は「デプスインタビュー」に着目した記事を書いてみたので、最後までご覧頂ければと思います。
デプスインタビューとは?
デプスインタビューとは、「対象者とインタビュアーによる1対1の面談式で実施する調査手法」のことを指します。
デプスインタビューは、1対1のインタビュー方式であるため、対象者の生活・行動実態を深く、詳細に掘り下げて聴取出来たり、対象者の深層にインタビュアーが深く入り込んだ質問をし、明らかにしていくことが出来ることが、デプスインタビューの特徴です。
デプスインタビューを行う目的
デプスインタビューは、「深層心理や行動の背景の深堀」や「アイディア出し・仮説構築」、「市場やターゲット層の把握市場やターゲット層の把握」ができ、仮説の構築から効果検証まであらゆる目的で活用することが可能です。
デプスインタビューの流れ
デプスインタビューを行う流れは上記のように行っていきますが、期間としては3週間~1か月程度となっています。
上記の流れを詳しく説明していきます。
調査企画
まず、課題解決のヒントとなる回答を得るための調査項目を決めます。質問の優先度や順番を考慮しながら質問項目を構成していくことが重要となり、「回答者が潜在的に考えていることを言語化させる」ことを意識して質問項目を作成することがポイントとなります。
リクルーティング
調査項目を作成した後は、回答者を選定します。これを「リクルーティング」と言います。リクルーティングは、膨大なモニターの中から条件を満たした対象者を抽出したり、報酬目当てやなりすましといった、信憑性の低いモニターを除外するために、デプスインタビューにおいて重要なことになります。
実査
実査は「はい/いいえ」ではなく、「意見とその理由」を述べるように質問する会話形式で行う「オープンクエスチョン」で行うことが基本であるため、経験豊富なモデレーター(司会者)を選定する必要があります。モデレーターは対象者の本音を引き出すためにも、調査項目はあくまでも目安にとどめ、対象者の反応を観察しながら、臨機応変に対応していく必要があります。また的確な質問を行い、対象者の本音を引き出したり、対象者が発言しやすい雰囲気づくりを意識することで、より深堀した回答を得ることが出来ます。場合によっては「ウォッチャー(観察員)」を配置し、回答者の言葉にならない感情を読み取ることも可能となります。
分析、レポート作成
調査結果は必ずレポートにまとめます。
デプスインタビューで得られる回答は、言語や行動による定性情報であるため、レポート作成には技術と経験を要します。内容によっては、集計ツールを使ったり、「アフターコーディング(※)」という専門的な処理をして集計する必要があります。
※自由回答の中から類似の回答をまとめ上げてカテゴリーに分類し、少数の選択肢に絞り込んでいく。定性情報を定量化することで集計をしやすくする手法。
デプスインタビューのメリット・デメリット
デプスインタビューのメリット・デメリットについて下記でまとめさせて頂きます。
メリット
- 対象者の心理や行動に関しての詳細な情報を得ることが出来る。
- 1人の対象者に集中してインタビューが出来るため、潜在的ニーズを探ることが出来る。
- 人前では話しにくいテーマでも、踏み込んだ質問が可能
- 対象者の反応を丁寧に観察しながらインタビューが出来る
デメリット
- 対象者が1人の為、インタビューの仕方によっては、バイアスがかかってしまう
- 他の調査に比べてコストや時間がかかる傾向にある
- インタビューの技量によって、結果に影響が出る
上記のようなメリット・デメリットがあるので、得たい回答や課題に合わせて、デプスインタビューをうまく活用していく必要がありますことがポイントです。
「デプスインタビュー」と「グループインタビュー」の違い
定性調査の代表的な手法である「デプスインタビュー」と「グループインタビュー」の違いを下記でまとめてみましたので、課題によって使い分ける参考にしてみてください。
デプスインタビューの見積もりについて、費用や相場感
デプスインタビューを行う際に、大きく分けて「基本料金」と「リクルーティング費用」、「レポーティング費用」が費用項目として挙げられます。企業によってはさらに細かく項目設定している場合もありますが、基本的には「基本料金」と「リクルーティング費用」、「レポーティング費用」となります。
一般的な相場
- 基本料金:数十万円~
調査の企画、調査設計やインタビュー実施費用
基本的には課題や目的のヒアリングをしてから金額を提示致します
- リクルーティング費用(インタビュー対象者選定費用):数万円/人
インタビュー対象者が少ない場合や条件が多い場合難易度があがり、より金額が高くなります
- レポート費用:10万円~
納品の形態をご予算に応じて選ぶことが可能です
レポート作成や分析を含めるとより金額が高くなります。
見積項目
- 謝礼(インタビュー対象者へのお礼費):1万円前後/人
交通費や拘束時間に対する必要です。 - 会場利用料(インタビュー実施の会場費用):数万円前後/時間
録画やミラールームが必要なため、インタビュー専用の会場をおさえることが多いです
休日での実施や実査機関が長いとより多く費用がかかります。
見積を作成する際や、見積もりをしてもらう際の参考になればと思います。
「デプスインタビュー」は1人の対象者に対してインタビューが出来るため、深堀した質問や潜在的ニーズの発掘が可能な調査手法となるため、課題に合わせて取り入れることで、有効的な調査手法となります。
デプスインタビューをしたいけど、外注する必要がありどこかに相談したいといった場合は、弊社で無料相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。