【調査初心者向け】調査方法って何がある!?
代表的な調査方法の違いとメリット・デメリットを解説
今回は調査を行うとなった場合に、企業が一般的に使用する調査方法についてご説明したいと思います。
主に企業が使用する調査方法は「HUT」・「CLT」・「グループインタビュー」・「デプスインタビュー」が一般的となっています。
これらの調査方法の違いについて詳しく見ていきます。
調査を依頼する際の一連の流れと活用事例を知りたいという方には以下のページをご一読願います。
ホームユーステスト(HUT)・会場調査(CLT)・グループインタビュー・デプスインタビューの違い
まずは、それぞれの調査方法の意味についてご説明します。
ホームユーステスト(HUT)
「HUT」とは、“ホームユーステスト”のことを指し、「Home Use Test」の頭文字を取っています。これは、新商品や改良品、開発中商品のサンプルをモニターの自宅に送付し、期間中に利用(試飲や試食等)してもらい、評価をアンケート形式で回答してもらう調査手法のことを指します。
会場調査(CLT)
「CLT」とは、“会場調査”のことを指しており、「Central Location Test」の頭文字を取っています。これは、決められた会場に調査対象者を集め、その場でアンケート調査やインタビュー調査を行う調査手法です。試作段階の商品などを実際に使用したり、試食・試飲してもらいながらアンケート回答やインタビューを受けてもらう場合もあります。
グループインタビュー
複数の調査対象者を1カ所に集め、あるテーマについて“話し合い”をしてもらう調査手法であり、定性調査の手法の1つです。
司会進行役(質問者)が発言を促すことで、幅広い意見や多くのアイデアを聴取することが出来ます。調査人数は4~8名、2時間程度で実施することが多いと言われています。
デプスインタビュー
この「グループインタビュー」に対し、質問する人と回答する人(調査対象者)が1対1で行うインタビュー調査が最後の4つ目になる「デプスインタビュー」です。1つのテーマに対し、質問する人と回答する人(調査対象者)が詳しくインタビューできる利点があるので、回答者の声を深く理解出来たり、大勢の前で言いづらかった意見を聴くことが出来ます。デプスインタビューは、1人当たり1~1.5時間、10~20名を対象に実施されることが多いです。
各調査の違い早見表
調査名 | 概要 |
HUT | モニターの自宅にサンプルを郵送し、アンケート形式で評価してもらう。 |
CLT | 会場に調査対象者を集め、調査対象物を使用したり、試食・試飲してもらい、評価してもらう。 |
グループインタビュー | 複数の調査対象者が1つのテーマについて話し合い、複数人が話し合う中で幅広い意見や多くのアイデアを得ることのできるインタビュー調査。 |
デプスインタビュー | 質問者と回答者が1対1で行う調査。 |
調査対象人数 | 実施時間 | 目的 | |
グループインタビュー | 4~8名 | 2時間 | 商品やサービスに対する評価とその根拠を理解する |
デプスインタビュー | 1名 | 1~1.5時間 | 消費者の意思決定の過程を理解する |
各調査のメリット・デメリット
ホームユーステストのメリデメ
まず「HUT」のメリットとしては、サンプルをモニターの生活環境の中で試してもらうことで、より実態や本音に近い意見を得ることが出来たり、一定期間使用しないと正確に評価出来ない商品の評価にも適している調査手法となっています。反対に、サンプルの管理がモニター任せになってしまうため、情報漏洩の危険性があったり、モニターそれぞれの生活環境での調査になるため、同一環境での調査が難しいというデメリットもあります。
会場調査(CLT)のメリデメ
次に「CLT」のメリットとしては、カメラ付き携帯電話の使用制限や、秘密保持誓約書への署名を対象者に義務付け、厳重に管理された状態で調査を行うことができ、気密性を保つことが出来ます。また実際の会場で調査を行っているため、曖昧な回答に対し、本人にその場で深堀することができます。またデメリットとしては、普段のような環境で試飲や試食ができなかったり、呈示物(テストパッケージやコンセプトなど)がある場合に、準備が大変なことが挙げられます。
グループインタビューのメリデメ
また「グループインタビュー」のメリットは、参加者の中から意見が出た時に、「そういえば、私もこんなことを感じたことがあった」といったように、他の対象者の潜在意識が呼び起こすことが出来たり、他の定性調査よりも短い時間で調査を行うことが出来ます。デメリットとしては、必ずと言って対象者の本音を探れるわけでもないということや、複数人を同時刻、同日に集まってもらわなければならないため、日程調整が難しいです。
デプスインタビューのメリデメ
最後に「デプスインタビュー」のメリットは、1人の対象者に集中できるため、消費者行動の深堀や、金融や疾病など人前では話しにくいセンシティブなテーマにも踏み込んだ質問が出来たりと、対象者の反応を丁寧に観察することが出来ます。また基本的にはオンライン上で行うことが出来るため、対象者を集めやすいというメリットもあります。
反対に、対象者が1人であるため、インタビュアーの技量によって結果が変わってきてしまったり、他の調査よりもコストや時間がかかる傾向にあります。
最後に
今回は、「HUT」・「CLT」・「グループインタビュー」・「デプスインタビュー」の違いやメリット・デメリットについて紹介させて頂きました。
商材によって、使用する調査が変わってくると思うので、最適な調査手法を取り入れる参考になればと思います。ご相談があれば、お気軽に申し付け下さい。