メタバースとは?概要と企業の活用事例
以前より、よく耳にするメタバース。最近では東京大学がメタバース工学部を新設するなど、ビジネスだけでなく教育でも積極的に取り入れられております。
そんなメタバースですが、なんとなくバーチャル世界なのかな・・・?とまだまだ分からない部分も多いかと思います。そこで今回は、メタバース全く知らないという方に分かりやすく解説致しました。
メタバースとは
メタバース (Metaverse)とは、コンピュータやインターネット内に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスを指します。一言で言うと「3次元のインターネット」と言えるでしょう。
メタバース(Metaverse)という用語は、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語です。超宇宙…。
ぱっとイメージされるものは、アバターと呼ばれる3Dのキャラクターが3D空間にたくさんいてコミュニケーションを取っているイメージだと思われます。3D空間で自分のアバターを操作して他のアバター(ユーザー)と交流するのがメタバースと認識されていることでしょう。
かつては「セカンドライフ」というサービスが2003年から話題になっていましたが、この時からメタバースはあったということですね。
2003年は家庭用のインターネット光回線が登場した年だそうで、この当時普及していたのはADSL回線となりますが、回線速度もPCのスペックも上がって「セカンドライフ」も実現できたのでしょう。
しかし、「セカンドライフ」は一部のユーザーには受け入れられましたが、一般層には普及しませんでした。現在はPCのスペックも上がり、光回線も普及、スマートフォンも5G対応、VRゴーグルなど環境が整ってきたのと、ブロックチェーン・NFTなどの先端技術も浸透したため、メタバースが盛り上がってきているのです。
フェイスブックも社名変えるほど本気
そんなメタバースですが、プラットフォーマーとしてあのフェイスブック(Facebook)社が参入しています。かねてからフェイスブック社はVRやARなど「XR」と呼ばれる領域に巨額の投資を行い、取り組んでいました。
例えばVRゴーグルを発売していたオキュラスという企業を買収し、「オキュラス・クエスト」をリリース、2022年には「Meta Quest」へブランド名を変更しています。
これまでSNSのFacebookやInstagramが主軸のフェイスブック社ですが、2021年に「メタ」社へ社名変更しており、その主軸を大きく転換しています。
2次元のSNSコミュニティから3次元のメタバースコミュニティへの転換は自然な流れのようにも見えますが、将来性を見込んで社名を変えるほどに本気な「メタ」社の今後に期待です。
なぜメタバースなのか、そのポテンシャル
「メタ」社も本腰を入れるメタバースですが、大企業が注目するポテンシャルはどこにあるのでしょうか?メタバース市場は100兆円ともいわれており、メタバース市場のレイヤーごとに様々なプレイヤー(企業)が参入しています。
レイヤーとはメタバースを形成する要素ごと、例えばインフラやデバイス・ハードウェア、制作ツールなどを指します。
スマートフォンの市場ではApple(iPhone)やGoogle(Android)が強いように、メタバース市場も今のうちにプラットフォーマーとしての位置を確立し、先行者優位を勝ち取るために既に競争が始まっているのです。
プラットフォーマーとして優位性を持つことができれば、スマートフォン市場のようなアプリストアや広告などで自社でコントロールがしやすくなるため、企業として大きく成長することができるでしょう。
企業による活用事例
企業によるメタバースも活用も始まっています。日本の事例を紹介しますが、小売(EC)業界では株式会社BEAMSが2020年、2021年に、仮想空間で商品の売り買いができるバーチャルイベント「バーチャルマーケット」に出展し、スタッフのアバターがバーチャル接客を行い、好評を博しました。
就活関連のWebメディアやマッチングDX事業を展開するポート株式会社は、2021年12月に「就活メタバース」というサービスをリリースしました。
コロナ禍において、オンライン面接は普及しましたが、対面に比べて人柄などが伝わりづらいという課題もありました。その課題を解決するために開発されたサービスで、仮想空間で自身のアバターを操作してキャリアコンサルタントと就職相談ができるのです。
これによって、まるで対面で会話をしているようなリアルティがあり、同社は今後、メタバース空間での面接プラットフォーム開発も検討を進めていくそうです。
イベント関連ではKDDI株式会社が立ち上げた「バーチャル渋谷」はニュースなどで見かけたことがあるのではないでしょうか。渋谷の街並みを再現し、音楽やトークライブのイベントを開催、2021年10月のハロウィーンイベントでは55万人を集めるなど大盛況でした。
同社は今後アバターを使ったアルバイトなど、雇用創出につながるサービスも予定していると発表しています。
このように昨今注目されるメタバースについて、いくつかのプラットフォームで体験してみましたが、一般的に普及するにはまだまだ課題が多いと感じます。一般消費者にはスマホを主軸にしたプラットフォームじゃないと体験してもらえないと思いますし、SNSのように片手で手軽に操作できるものじゃないといけないのではないでしょうか。
また、一般利用とは別にビジネス用途で使うメタバースプラットフォームが生まれるだろうと予測します。オフィスで使うPCもゲーミングPC並のスペックが当たり前になったタイミングで、TeamsやZOOMがアップデートで無理やり実装しそう…とも思いましたが、そもそも必要性がないと普及しないのでリモートワークでのコミュニケーション用途で広がっていくのでしょうか?
今後のメタバース市場の動向が楽しみですね。