調査を依頼したいけど「何から始めれば良いのか分からない」のお悩み解決します!
デジタルマーケティングカンパニー・オノフのいそめです。
調査を依頼する際に何から始めれば良いのか分からないという悩みは、多くの方が抱える問題です。本記事では、マーケティングリサーチの基本や実施手順について詳しく解説し、あなたの不安を解消します。どのように進めるかを理解すれば、効果的な調査を実施するための道筋が見えてくるでしょう。
マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチとは、企業がマーケティング活動を行う上で必要となる情報を、ターゲットとなる顧客から聴取を行う調査のことです。商品開発やプロモーションを検討するために現在の状況を把握し、将来の予測や分析に役立てることが出来ます。
マーケティングリサーチを実施する際には、まず調査目的を明確にすることが肝心です。このステップがしっかりとできていないと、調査全体が不明瞭になり、成果を得ることが難しくなります。
次に、調査企画を作成し、具体的な調査票を作成するプロセスへ進みます。適切な調査票がなければ、得られるデータも意味を持たないことが多いため、非常に重要なポイントです。
調査を実施し、集めたデータをしっかりと集計・分析することで、次のステップへと進むことが可能になります。その後、報告書を作成し、関係者に結果を共有することで初めて成果を実感できるのです。
この流れを意識して取り組むことで、マーケティングリサーチの有効性を最大限に引き出すことができます。
マーケティングリサーチで最も重要なこと
マーケティングリサーチで最も大事なのは調査の目的をしっかりと決めることです。ただ闇雲にアンケートを作って聴取しても、どのようにデータを見たほうが良いのか、取ったデータを何に活用できるのかといった、結局調査しただけで終わってしまうケースになりがちです。
そのため、調査で明らかにしたい課題や仮説を明確にして行うことが重要なのです。
また、目的がしっかりしていると、調査企画の段階でより具体的なターゲットや方法を選定でき、効率的なデータ収集が可能となります。これにより、得られた結果が実際のマーケティング活動にどのように役立つかをイメージしやすくなります。
加えて、調査の進捗管理やデータ分析の際にも、目的が明確であれば、重要な情報を見逃すことなく、必要な洞察を引き出すことができます。しっかりと目的を定めたマーケティングリサーチは、企業の戦略において大きな武器となります。
マーケティングリサーチと市場調査(マーケットリサーチ)の違い
マーケティングリサーチと市場調査(マーケットリサーチ)は、よく混同されることがありますが、それぞれの目的やアプローチには明確な違いがあります。
マーケティングリサーチ
マーケティングリサーチは、将来のニーズを探り、新しいアイデアや戦略を創造することに重点を置いています。
市場調査(マーケットリサーチ)
一方、市場調査(マーケットリサーチ)は過去のデータを基に現在の市場の状況を理解することにフォーカスしています。これにより、企業はより効果的なマーケティング戦略を立てるための知見を得ることができます。
マーケティングリサーチの流れ・実施手順 について
※オンラインアンケートの場合
マーケティングリサーチの流れを理解することは、効果的な分析と結果活用に繋がります。
まず、調査目的を整理して明確にすることが重要です。このステップでは、何を知りたいのか、どのような情報が必要なのかを具体的に洗い出します。
次に、調査企画を作成します。この段階では、実施する調査の内容や方法、対象とする人口統計などを詳細に計画します。
その後、調査票の作成に進みます。回答しやすく、かつ目的に応じた質問を設計することが必要です。
調査の実施には、選定した方法に応じてオンラインアンケートを実施し、データを回収します。
集まったデータの集計と分析を行い、解釈や洞察を得ます。このプロセスを通じて、得られた情報がどのようにマーケティング戦略に影響を与えるかを考察します。
最後に、報告書を作成し、調査結果報告会を開催します。ここでは、得た知見とその必要性を関係者と共有し、今後の方針について議論することが大切です。
1.調査目的を整理して明確にする
調査目的を整理することで、深い理解と洞察を得るための基盤が築かれます。
具体的には、期待する効果や対象となる顧客層についても考え、そのニーズや行動パターンを把握することが重要です。
また、目指すゴールを明確にすることで、後続の調査企画や調査票の設計に一貫性を持たせることができます。
しっかりとした目的意識を持つことで、より効率的にデータを収集し、後の分析段階でも必要な情報に焦点を当てやすくなります。
2. 調査企画の作成
目的を整理した後、課題を明らかにするのに最も適した調査手法を考え、実施に向けて企画をまとめます。
調査企画書にまとめることが多く、主には
「調査の目的」
「調査で得られること」
「調査概要」
「設問項目案」
で基本構成されます。
特に「調査概要」では、調査対象者の選定や、データ収集方法について具体的に記載することが重要です。これにより、後のステップがスムーズに進むことが期待されます。
また、調査を実施するためのスケジュールや予算の見積もりも盛り込むことで、実行可能なプランになります。これらを踏まえた企画を立てることで、データ収集の精度を高め、分析結果が現実的な意思決定に役立つようにすることができます。
3. 調査票作成
調査票の作成において重要なのは、調査目的に基づいた具体的な質問を設計することです。
質問形式には、選択肢式、自由記述式、評価尺度など多様な方法がありますが、それぞれの目的に合わせて適切に選定する必要があります。
特に、質問の構造や言葉遣いに注意を払い、誤解を招かないよう配慮することが求められます。
設問の順番も重要で、回答者がスムーズに回答できるよう、簡単な質問から徐々に難易度を上げていくことが一般的です。
また、設問数が多くなりすぎると、回答者の負担が大きくなり、正確なデータを得る妨げとなるため、必要最小限の設問に留めることが理想的です。
最終的な調査票は、関係者間でレビューを行い、フィードバックを反映させた上で完成させることが求められます。
4. 調査の実施
調査表をもとに、オンライン上での調査画面を作成し、配信します。
Aの設問で「はい」と答えた人はBの設問に、「いいえ」と答えた人はCの設問に、といった調査ロジックを正しく反映できているか、画面を作成する上で注意が必要です。
上記のような簡単なものではなく、かなり複雑なケースも多く発生するため、ロジックチェックは重要になります。
また、調査を実施する際には、対象者への通知やフォローアップも考慮します。
信頼性の高いデータを得るためには、参加者が調査に対して感じる透明性や信頼感を重視することが求められます。
さらに、調査終了後は、得られたデータの集計と分析にスムーズに移行できるよう、データの整理と整形も行うべきです。
これにより、分析にかける時間を短縮でき、結果の利用価値を高めることが可能となります。
5. データ集計・分析
調査データの回収後、集計に入ります。
最初に決めた目的や課題を明らかにするためにデータを様々な視点から集計し、分析を行います。
集計には設問に対して回答数をまとめた「単純集計」のほか、属性や複数の回答をかけ合わせた「クロス集計」があります。
この段階で注意したいのは、集計方法によって結果の解釈が大きく変わる可能性があることです。目的に合わせた適切な集計方法を選ぶことで、より明確で意味のある洞察を引き出すことができます。
また、数値データだけでなく、定性データに関しても、内容を整理して重要な意見や傾向を見つけ出すことが大切です。定性データの分析には、テーマごとの分類や、特徴的な発言の抜粋などが有効です。
データが集計されたら、次に重要なのはその結果をどのように解釈し、現実のビジネスに結びつけるかです。分析結果をもとに、具体的なアクションプランやマーケティング戦略を考案し、実践に移す準備を整えます。
結果を適切に報告し、関係者に共有することも、このプロセスの重要な一環です。共有の際には、視覚的に理解しやすい形式でプレゼンテーションを行い、結果をもとにどのような意思決定が期待されるかを示すことが求められます。
このように、データ集計・分析のステップは、ただ数字を加工するだけでなく、マーケティング活動の成功に繋がる重要なタスクであることを理解しておく必要があります。
6. 報告書作成
集計したデータをもとに図やグラフを用いて報告書にまとめます。
基本的には、ページの冒頭に調査目的を再度提示した上で、全体のサマリーを各設問に対してのサマリーを用意します。
この調査結果からどのようなことが言えるのか、どんな改善が行えるのかといったことを分かりやすく整理するためです。
さらに、報告書には重要な発見や洞察を強調し、データの視覚化を通じて、関係者が容易に理解できるよう配慮します。
必要に応じて、今後の施策に関する具体的な提案を盛り込むことも重要です。
このようにして作成された報告書は、関係者との会議やプレゼンテーションの際に活用され、今後の戦略立案において重要な役割を果たします。
最終的には、報告書をベースにした議論が新たなアクションにつながることを期待しています。
7. 調査結果報告会
必要に応じてですが、報告書の作成者よりお客様への報告会を行います。
報告会を行うことにより全体の整理や得たデータをどのように活用するかのディスカッションを行うことで、調査をよりよいものにすることが出来ます。
この場では、報告書の概要や主要な発見を簡潔に説明するとともに、対象者からのフィードバックを受け取る重要な機会となります。
参加者が興味を持つ点に基づいて、より詳細な説明や質疑応答を行い、疑問点を解消することで共通理解を深めることが可能です。
こうした報告会を通じて、実施した調査結果がクライアントの今後の戦略にどのように寄与できるかを具体的に示すことで、次のステップへと進みやすくなります。
結果の共有を基にした活発な議論は、新たなアイデアや行動計画を生む契機となるでしょう。
このように定期的な報告会は、クライアントとの信頼関係を深め、持続的なパートナーシップの構築にも寄与します。
マーケティングリサーチの2つの種類
マーケティングリサーチを効果的に行うためには、主に2つの手法に分かれます。これらの手法は、収集するデータの性質や目的に応じて使い分けることが重要です。定性調査は、深い洞察を得るための質的なデータを収集する方法であり、定量調査は数値的なデータを基に結果を分析する手法です。それぞれの利点を理解し、目的に合ったリサーチ手法を選択することが成功につながるのです。
手法①:定性調査
定性調査は、マーケティングリサーチにおいて深い洞察を得るための重要な手法です。デプスインタビューやグループインタビューなどを通じて、対象者の意見や感情を豊かな言葉で収集し、定量的なデータでは得られない詳細な理解を深めることが可能です。この手法を活用することで、顧客のニーズや動機をより明確に把握し、効果的なマーケティング戦略を立てることに繋がります。
デプスインタビュー(DI)
デプスインタビュー(DI)とは、対象者に対して深く掘り下げた質問を行い、詳細な意見や感情、考え方を引き出すための調査手法です。
この手法は、1対1の形式で行われることが多く、対象者が心の内を自由に表現できる環境を提供します。これにより、参加者が直接の経験や感情、潜在的な動機に焦点を当てることが可能になり、より深い洞察が得られます。
デプスインタビューは、特に新しい商品やサービスの開発、市場のニーズに関する仮説を立てる際に非常に有用です。
調査員はモデレーターとして参加者を導きつつ、質問を適宜調整することが求められます。こうした柔軟性が、この手法の大きな特徴であり、得られるデータの質をさらに向上させる要因となっています。
そのため、デプスインタビューによって得られた情報は、定量データでは得られない新たな視点や理解をもたらし、マーケティング戦略において価値あるインサイトを提供することができます。
グループインタビュー(FGI)
グループインタビュー(FGI)とは、複数の参加者が集まって意見交換をする調査手法です。
この手法の最大の魅力は、参加者同士のダイナミクスが生まれ、相互に影響を与えながら意見を引き出せる点にあります。
モデレーターが進行役となり、参加者が自由に話し合える環境を整えることで、多様な視点や感情を引き出すことが可能です。
こうした相互作用によって、個々の回答では得られないような、より深い理解を得ることができるでしょう。
特に、新しいコンセプトやアイデアについてのフィードバックが必要な場合、グループインタビューは非常に効果的な手法となります。
また、参加者同士が他の意見に刺激を受けることで、思わぬ発見が生まれることもあり、この点がFGIの大きな利点と言えるでしょう。
目的に応じて、適切に参加者を選定し、テーマを設定することで、質の高いデータ収集が期待できます。
手法②:定量調査
定量調査は、数値データを用いてマーケティングリサーチを行う手法です。この手法では、アンケートや調査票を通じて、対象者から得られるデータを体系的に集計し、統計的な分析を行います。定量調査は、特定の仮説を検証したり、全体の傾向を把握したりするのに非常に有効です。また、結果が数値で示されるため、効果的な意思決定をサポートすることができます。代表的な手法には、ホームユーステストや会場調査、WEB調査などがあります。
ホームユーステスト(HUT)
ホームユーステスト(HUT)とは、調査対象者に商品や製品を自宅で一定期間試用してもらい、使用感や効果をアンケートやインタビューで収集する手法です。
この手法を活用することで、実際の生活環境での使用状況を観察することができ、消費者が製品をどのように受け入れるかをより実践的に評価できます。
HUTは特に食品や化粧品、大型家電など、実際の使用に依存する製品について非常に効果的です。
調査の結果は、商品改良やマーケティング戦略の策定に直接的な影響を与えることが多く、消費者ニーズに基づいた商品開発を促進します。
また、実施する際には、対象者の使用方法や習慣に関するデータも合わせて収集することで、より深い洞察を得ることができます。
このように、ホームユーステストは消費者の実際の体験に基づいたデータを集めるため、マーケティングリサーチにおいて非常に価値のある手法となります。
会場調査(CLT)
会場調査(CLT)とは、あらかじめ設定した会場に調査対象者を集め、製品、または情報等を実際に見て試し、定量的にデータとして収集する手法です。
この手法は、特に新商品やプロモーションの効果を測定する際に非常に効果的です。参加者がその場で製品を体験することで、リアルな関心や反応を測ることができるため、実際の市場での受け入れ方を予測するのに役立ちます。
会場調査では、調査員が直接参加者と対話しながら情報を収集できるため、参加者の意見や感想を深く掘り下げることができます。このような対面のやり取りは、参加者が自由に意見を述べられる環境を作り出し、より質の高いデータを得ることに繋がります。
一方で、会場調査は比較的高いコストがかかるため、規模を拡大する際には事前に十分な予算とリソースを確保することが重要です。所定の期間内に複数の参加者からデータを収集するには、計画的な運営が欠かせません。
このように、会場調査はマーケティングリサーチにおいて、消費者の直接的な反応をリアルタイムで把握するための貴重な手法として位置付けられています。
WEB調査
WEB調査とは、インターネット上でアンケートを配信し、オンラインで回答を収集する手法です。
この手法は、迅速なデータ収集が可能であり、広範囲にわたるターゲット層にアクセスすることができるため、現代のマーケティングリサーチにおいて非常に人気があります。
特に、サンプル数が多く取れるため、統計的に有意な結果を得やすく、コストも他の調査手法に比べて低く抑えられることが魅力です。
また、WEB調査では、リアルタイムで結果が集計されるため、スピーディーに分析に移ることができ、中間報告を行うことも容易です。
ただし、参加者のインターネット利用状況やデジタルリテラシーが結果に影響を及ぼす可能性があるため、調査設計時に対象者の特性をよく考慮する必要があります。
このように、WEB調査はその利便性から、多くの企業や研究機関に活用されており、伴った課題を克服することで、さらに有意義なデータ収集の手段となります。
まとめ
今回はマーケティングリサーチの基本と実施手順等についてご紹介させて頂きました。繰り返しになりますが、調査を行う上で最も重要なことは、明らかにしたいことを整理し、調査する目的をしっかりと決めることです。
調査手法は様々ですが、あくまでも”手法”ですので、その前段は正しく整理しましょう。
マーケティングリサーチの目的に応じて、定性調査や定量調査を使い分けることが求められます。定性調査では、消費者の深層心理や行動を探ることができ、より豊かなインサイトを得ることが可能です。そして、定量調査を通じて、具体的な数値データを収集し、戦略の明確な根拠を導き出します。
オノフは、調査の企画・設計から分析・レポートの作成、得たデータをもとにアウトプット施策のご提案まで一気通貫でサポートいたします。調査目的に関しても、しっかりとヒアリングをさせて頂き、認識合わせをした後、適切な調査をご提案、実施致します。
ぜひ一度ご相談ください。