Z世代の心をつかめる人が、Z世代マーケティングを活用して、これからのビジネスを制すると言われています。Z世代マーケティングのカギは、Z世代の常識を理解することにあります。Z世代はデジタルネイティブ、スマホネイティブなどと呼ばれ新たな価値観を持った世代として注目されています。
1996年生まれの人も、2022年には26歳となり、多くの人が社会人として働き始め、世の中に影響を生み出してゆきます。
2042年(20年後)には、Z世代は27歳~46歳となり、Z世代が働く世代の大半を担うことになるのは明確で、これからのマーケティングでのターゲットの中心を担うのがZ世代です。
Z世代とは、1996~2012年生まれの世代
Z世代は、1996~2012年生まれの世代で、生まれて間もない幼い時代からスマホ、Google、SNSが存在していてそれらのツールをネイティブに使いこなしている世代です。
Z世代に、強い影響を与えているメディアは、4大マスメディアと言われているテレビ・新聞・雑誌・ラジオではなく、YouTubeです。
Z世代では、YouTubeの視聴比率が4大マスメディアの比率より高いと言われており、YouTubeがテレビや新聞以上に、信頼できるメディアになっています。
同時に、SNSがネイティブであるZ世代は、マスメディアやYouTubeの情報を鵜呑みにするのではなく、常に疑いを持って情報に接しています。
Z世代は、世の中の広告宣伝は、情報構造をゆがめて、ユーザーレビューの中にもフェイク(偽物)が紛れて込んでいることを理解しています。
そうした冷静さがあるので、購買行動を起こすときには、信頼できる人の話を聞く傾向が高く、親や家族、友人の評価から強い影響を受けています。
困った時には、SNSを通じて詳しい人に聞くことを自然に行っています。
SNSで大きく変化したのが情報のリアリティです。良い製品やサービスは、SNS上でシェアされることが多くその影響力が自然に強まってゆきます。
また、自分が支持しているインフルエンサーの影響力も強く受けています。インフルエンサーの価値観に共感し、信頼もしているので、無意識のままに、あらゆる行動に影響を受け続けています。
Z世代の影響力
人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)によると、Z世代の中心層にあたる20~24歳が631万人なのに対して、45~49歳は966万人となっています。
日本ではZ世代が、まだまだ少ない人数なので、消費へのインパクトは高くありません。
今、Z世代に注目すべき理由は、Z世代が社会進出し始めたことにより変わる世の中の変化です。
消費へのインパクト以上に、世の中の常識が変化し始めることに注目しておく必要があります。
世の中のトレンドは、日本国内だけで作られるものではありません。インターネットが普及したこともあり、人々の価値観はグローバルの影響も強く受けて浸透してゆきます。
ここ近年でも、昭和の常識は、令和の非常識という言葉がある位、人々の価値は、変わり始めています。
代表的な非常識をリストアップしてみただけでも驚きを感じると思います。
・部活の運動中は水分を取らない
・電車や飛行機でもタバコが吸えた
・子どもがお使いでお酒を買えた
・駅に手書きの伝言板があった
・先生が生徒に暴力を振るっても問題なかった
Z世代の常識としては、「ジェンダー平等」「気候変動への関心」「多様性」「LGBT」「スマートフォン」「ネットへの常時接続」「YouTubeで学ぶ」等、様々なキーワードがありますが、今後も新しい価値観は増えゆき、世の中の常識となってゆくでしょう。
Z世代へのマーケティングに注力すべき理由
Z世代は、それ以前の世代と比べ、個人主義の傾向より、公共性や社会正義への比重がとても高い傾向があります。こうした世代間の感覚の違いは、これからも大きく開き始めることになると思います。
そうなると世代間の分断は起こるはずで、それはどんな時代でも起こる摩擦なのだと思います。
古い価値観に縛られていると、世の中で何が起こっているか?真実が理解できなくなります。
そのためにもZ世代の価値観や視線を理解してゆく必要があります。
Z世代は、日本国内では人数も少ないのですが、グローバル視点で見ると世界人口の3分の1に達しているといわれています。日本でも、あと20年も経過すれば、Z世代が生産・消費の中心といっても過言ではないでしょう。
そうした視点からも、多くの企業はZ世代へのマーケティングに注力すべきだと考えます。