好評なシリーズ西口一希氏著の紹介を致します。
今回は「顧客起点の経営」を要約してみました。
顧客が見えていないという陥りがちな企業の失敗。
西口氏の本によると、企業の成長が止まる理由は業界ごと、企業ごとに特有の事象があるわけではないそうです。根底の問題として経営から顧客が見えなくなっていることがあられます。ではどういう時に顧客が見えなくなっているか、以下の2つの事象をご参照ください。
1.競合設定が本当の顧客視点になっていない。
従来は「顧客数×単価×頻度=売上」での計算だったがに人口減少により、顧客数が伸び悩んでいる。なおかつ、スマートフォンの普及により価値観が多様化し、マス広告が弱体化しました。またネットで物を売買できるようになったため、物理的・時間的な制約の障壁が低くなった。
2.顧客の定義が曖昧
競合設定や、事業戦略を考える上でまず必要なのが顧客の解像度を高くすることが重要です。ただ、自社プロダクトの今の顧客は誰か、といったことが荒いケースが多いとのことです。例えば、以下の項目に関して、社内で、定義が違う場合、改めて設定することが必要となります。
・自社プロダクトの今の顧客は誰か。
・購入してくれる理由
・離反してしまった理由
・今後獲得可能な新しい顧客は?
・顧客のなにが見えていないか。
顧客理解に関する実態調査によると、以下の結果が出ております。
これは145事業に関して2021年4月に調査したものですが、「マーケット全体の顧客数の定義」や、部署間をまたいでの合意形成が全体の20%を切っており、実態として出来ていない企業様の方が多いです。つまり、出来ていない企業が大半ですので、いまいちど見直す機会としてみてはいかがでしょうか。
顧客起点とは?
顧客がサービスや商品を買う際、たいていの場合、自社や競合などをあらかじめ区別して選ぼうとはしません。ニーズを満たす為に、同じカテゴリーに分類されるプロダクトの比較をすることだけでなく、代替プロダクトや代替案も検討にいれるケースがあります。
たとえば、車を買う際に、TOYOTAや日産などのメーカーでの比較だけでなく、いまだとテスラなどのEV自動車も含まれるでしょう。また移動手段まで視野を広げるとバスや電車などの公共交通機関、電動自転車、自転車、徒歩もあり得るでしょう。それだけでなく、そもそも移動手段が必要になった目的を考えると移動すら必要のないリモートワークなどのオンラインでの仕事や学習スタイル、日常の買い物やショッピングをECやデリバリーサービスに切り替える可能性もあるでしょう。
顧客起点とは、顧客が何を目的に自社のプロダクトに接触し得るか、顧客が求めている便益とは何か?が大切です。
顧客起点の考え方を経営に落とし込む方法
では、どうやって顧客起点の考え方を経営に落とし込めばよいか、この章では方法を紹介致します。
フレームワーク①顧客起点の経営構造 (経営対象と財務結果の間)
コストを算出する際は、営業活動や販促費用を直接原価に、人事や経理、総務などを間接原価などに分類するかと思います。
そして売上は顧客数x単価x頻度分解することが多いでしょう。これらの数字が、既存顧客の維持・または育成への投資活動に結びついている者か、または新規顧客を獲得することに結びついているものかを意識するようにしましょう。まずは、顧客起点のフレームワークを共有し、今行っている会議や議論が、顧客の何に影響することを目的にしているか確認することで、部門間で怒りがちな認識齟齬を防ぐように心がけましょう。
顧客戦略(顧客とプロダクトの価値の間)
顧客が自社のプロダクトやサービスの何に価値を感じているかを捉えることが大切です。プロダクトを通して何に便益を感じているかを把握することで、自社の戦略は顧客が不在となっていないか今一度確認することをおすすめ致します。
3.顧客動態(カスタマーダイナミクス)
3つ目は自社プロダクトが該当するマーケットの全体の動きを把握することです。まずは、自社プロダクトのロイヤル顧客や一般顧客、離反した顧の数を把握することが大切ですが、未認知顧客の数を把握することも大切です。例えば広告を打った際に、どの層の顧客がどのセグメントに移動することを想定するかを時系列で確認すれば、施策の効果が分かるよになります。
最初は顧客を5つの分類に振り分けることが大切ですが、応用編として、今後の購買意欲も可視化した9セグという手法もございます。詳しくは下記ブログに記載されております。
以上、西口一希氏著「顧客起点の経営」に関して、さわりの部分を関して簡単に紹介させて頂きました。少しでもお役に立てればと思います。
またオノフでは顧客の実態を把握するための調査をお受けすることが可能です。課題の整理から調査設計、結果の分析など幅広く対応出来ます。要件まとまっていないけど、もやもやしているといった場合もヒアリングからさせて頂くことも可能ですので、気軽に相談頂ければと思います。