【ウェディングサイトのリニューアル】事前調査でポイントを明確に。消費者ニーズの把握とCSFの発見でCV率大幅アップ
今回は大手外資系ホテルのウェディングサイトのサイトリニューアルに関する事例をご紹介します。
「ユーザー認識」のクロス分析
人生の一大イベントである結婚式。
一生ものだからこそこだわりたい。皆さんがきっとそう思うはず。
「自分が主役の素敵なセレモニーはお金をかけても失敗したくないし、とっておきのものにしたい」と、選ぶ目もシビアになりますよね。
あれもこれも希望を叶えたいけど、これだけは譲れないという「結婚式場の決め手」となるものは何なのか?を明確にするためにクロス分析をかけました。
どういった内容かというと、一言でいうと「ユーザー認識」のクロス分析です。
クロス分析とは、アンケート結果の集計でよく使われる手法ですが、調査資料やアンケートデータをいくつかの項目にしぼって、それらに属しているものがどのような関連を持っているかを分析する方法です。
今回は事前のデスクリサーチによるデータとモニター調査によるデータをクロスし、どのような関連を持っているかを分析しました。
クロス分析のクロスとは、複数にわたることを指していますが、「首都圏在住」「25歳~35歳」に該当する人を選び出して、全てに当てはまる人が影響を受けているものを調べ、それがどうしてなのかを分析しました。
結果、式場の決め手になるのは『会場の雰囲気・立地・料理』であるということがわかりました。
ユーザー像のプロファイリング
式場の決め手が明確になったところで、訴求ポイントを『会場の雰囲気、立地、料理』に設定しました。
次に実際に式を挙げるユーザーを設定していきます。今回は「結婚を検討している本人」と「その母親」をプロファイリングしました。
プロファイリングとはもともと犯罪捜査に用いられ、心理学や社会科学で使われていた言葉です。そこから派生して、一般的にプロファイリングという場合には行動や特徴などから、その人物像を分析していくことを指します。
これにより、ターゲットとなる見込み客や顧客の特徴が分かれば、どのようなメッセージを送るのが効果的なのかが明確になります。
次にプロファイリングしたユーザー像から仮説建てをし、希望に合った結婚式がイメージしやすいようにビジュアルで表現することをご提案。特に明確になったニーズである「会場の雰囲気・立地・料理」に加え、調査で次にポイントが高かった「スタッフの対応・良いプラン」を訴求できるビジュアルを考えました。
メインメッセージ設定~ピラミッドストラクチャーの作成
無事にユーザー像が設定でき、メインビジュアル検討に進んでいきますが、メインビジュアルはランディングページのコンバージョン率を上げるために非常に重要な役割を担いますので、慎重な検討が必要になります。
今回はメインメッセージを設定し、そのメッセージを叶えるようなメインビジュアルを作り上げる流れを作りました。
メインメッセージを導き出すのに活用したのがピラミッドストラクチャーです。ピラミッドストラクチャーとは、論理構造をツリー上に整理するロジカルシンキングのフレームワークですが、最も伝えたいメッセージを最上段におき、その根拠となるいくつかの事柄を中段に、さらに中段の根拠となる事柄を最下段に置く手法です。
今回はピラミッドストラクチャーのボトムアップ手法で最下段のいくつかの根拠からグループ分けし、グループ毎にテーマを反映したキーメッセージを作成、それを基にメインメッセージを作成していきました。このフレームワークを活用することで、想いがぎっしり詰め込まれた、シンプルだけれども具体的なメッセージを生み出すことができます。
次にメインメッセージを基に、メインビジュアルの作成です。リニューアル前のサイトの世界観を活かし、大々的に写真で魅せるビジュアルかつ一目でウェディングサイトであるということがわかるよう、ウェディングドレスの写真をメインに採用。クロスフェードで眺望や空間の写真をアニメーション。式場の決め手になる会場の雰囲気・立地・料理をメインにしています。
サイト構成の検討
WEBサイトを適切な構成で作成することは、効果を最大化させるうえで非常に重要になります。サイトマップを作成し、全体の構図がコンバージョンを上げられる階層構造になっているかを慎重に設計していきます。サイト構成の設計の際にも式場の決め手である「会場の雰囲気・立地・料理」を意識した設計をしていきます。
最大化させる効果・結果というのは、コンバージョンになりますが、今回クライアント様と握っていた効果は、
KGI=成約数のアップ、KPI=資料請求・来館予約、来館数のアップだったため、予約導線にスムーズに誘導することが最重要課題。ここを意識したサイト構成を徹底しました。
UI改善/導線改善
今回のサイトリニューアルに伴い、UI改善と導線改善のご提案も行いました。まず始めに、検索エンジンへの対応として、サイト削除、リダイレクト設定など細かな環境整備に加え、Googleウェブマスターツールを導入のご提案をしました。ウェブマスターツールを導入することで、検索エンジンに対して適切な情報を発信できる環境を整え、リンクの少ないサイトやGoogleのクローリングがなくても検索にヒットさせることが可能になります。
次に、導線の確保のご提案です。
リニューアル前の課題として、ホテルのトップページからウェディングサイトへ遷移する導線がわかりづらく、ウェディングサイトに辿り着くまでにいくつかのページを経由しなければならない設計で、サイトへ到達する前に離脱してしまうケースも見受けられたため、リニューアル後はホテルのグローバルナビで直接ウェディングサイトへ遷移する導線をご提案しました。
また、サイト運用上の改善案として、前述したGoogleウェブマスターツールに加え、Googleアナリティクスの導入を提案しました。
サイト全体のアクセス総数の集計だけでなく、SNSからの誘導や検索エンジンからのキーワード内容など、参照元の解析ができるようになります。これによってユーザー像を想定し、様々なセグメントでサイト内の行動を調査することで改善のポイントを割り出すことができるようなるので、その後のPDCAサイクルが回しやすくなるといった目的でご提案に含めました。
結果
今回のリニューアルは、消費者ニーズとCSF(重要成功要因)を「結婚式の決め手は『会場の雰囲気・立地・料理』」と置き、3C分析をすることで明確な改善策を備えた、展開に幅を持たせた改善内容がご提案でき、提案通りのカタチで採用いただくことになりました。
結果、コンバージョン率は以前に比べ、約4倍に向上するという実績を残し、
同様にKGI・KPIも順調にアップさせることができ、クライアント様にも非常に高い評価得ることができ、双方にとって満足度の高いものになりました。
最後に
今回はホテルのウェディングサイトのリニューアルに関する事例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
具体的なビジュアルやメッセージを見ていただけないのが残念ですが、本当に良い作品に仕上がりました。
サイトリニューアルに関しての流れや考え方の大枠のみをご紹介しましたが、やはり、リサーチによる顧客インサイトを理解することから始めることが重要だと実感した事例です。
オノフでは今回の様な市場全体のトレンドや顧客ニーズの調査はもちろんのこと、マーケティングに活用するネットリサーチ、グループインタビュー、会場調査、ホームユーステストなど、様々なリサーチサービスをご提供しております。少しでもご興味ございましたら、お気軽にご相談ください。