CXM(カスタマーエクスペリエンスマネジメント)とは?
CXMとは「Customer Experience Management(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)」の略語であり、顧客体験管理ともいいます。
顧客が商品・サービスから感じる「スペック」や「値段」などの機能的な価値だけではなく、企業の提供する商品やサービスを購入する際に体験する「感動」や「心地よさ」「満足度」といった感覚的な付加価値体験を向上させることで、中長期的な関係性を築き、収益向上へ繋げることを目指す手法です。
CXMが注目されるようになった背景
2018年に経済産業省が公表したDXレポートにより、デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性や「2025年の崖」といったことが、世の中で注目されることとなりました。同じくしてスマホ等の電子デバイスの普及で、あらゆる情報が簡単に手に入る消費者を「賢い消費者」と呼ぶようになり、「賢い消費者」は、自分にとって本当に必要なもの、価値のあるものを電子デバイス等で調べ自覚し、「自分ゴト」でないことには興味を持たないようになりました。技術の進化は商品のコモディティ化を生み、消費者ニーズは高度化、多様化し、一昔前より興味関心も価値観も多種多様になりました。
価値観の多様化により現代の消費者が本当に買おうとしているものは、様々な体験、その機会、ストーリーなど体験の向こう側にある満足感や優越感、楽しさ、癒し、充実感等、色々な経験価値にあたります。
今まで「認知 → 受注/購入」で完結できたマーケティングプロセスも、「購入に至るまでの過程 → 購入後の利用まで含めた顧客の体験」をいかに価値あるものにするということが重要になってきました。
それに加え、その経験を提供する企業に対しどういうイメージを持っているのか?ということも気にしなければならない時代となり、総じて「CX=顧客体験価値」と呼ばれるようになりました。
企業にとっての目的を考えた場合、出発点は「顧客」でしかありません。
「商品を購入してもらうことがゴール」 ということは今でも重要なファクターです。しかしながら、ラブコールを送るべく人々の価値や習慣が変化してしまった現在、顧客の現実(行動、状況、期待、価値観等)を見つめ直し顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めるべく、「CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)」が国内外問わず非常に注目されるようになりました。
CRMとは?CXMとの違い。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略語で、直訳すると「顧客関係マネジメント」となります。ビジネス用語では「顧客関係管理」「顧客管理」などと呼ばれ、顧客との関係構築に重点をおいたマーケティング手法であり、そのための情報システムのことを指します。
基本的な機能にいくつか類似点があるため、CXMとCRMがしばしば混同されます。いくつか重複する点があっても、CXM は従来の CRM の名前を単に変更した概念ではありません。
CRMは、顧客一人ひとりとの関係をなるべく詳細にデータベース化することによって、それぞれの顧客にニーズに対応した最適なアプローチをすることを目的としています。
それに対してCXMは、顧客の意見や生の声を意識し、顧客の感情を重視するアプローチになります。顧客が自社の商品やサービスを購入するプロセスや購入後の利用シーンを想定しながら、そこに価値のある経験や体験を付加することによって顧客ロイヤルティを高めていくことを目的にしています。
CXMは、顧客関係管理の分野においてCRMの次の段階であるとも言われています。
顧客マネジメントにおけるアプローチの変遷からみると、2000年前後に登場してきたのがCRMであり、その考え方に磨きをかけつつ時代の流れにマッチするようにカスタマイズしたのがCXMになります。
CXは概念、CRMは戦略
CXMはまだ比較的新しい概念になり、実際はCRMとの違いが明確に定義されていません。
上記のようにCXMをCRMの次の段階として考えることもできれば、CXMをCRMの範疇として捉え、より感覚的な側面にフォーカスしているCRMとして考えられることもあります。
または、CXを概念・目的として捉え、CXを高める戦略としてCRM(顧客関係管理)があるという考え方もあります。
広告、SFA、MAで集めた顧客、見込み顧客のデータをCRMで管理し、それぞれに最適なコミュニケーションをすることでCX向上につながるイメージです。
CXMにおいてオノフが提供できるもの
CXM戦略を策定する時、部門横断的な経営的見地から、CX視点のマーケティング/事業改革が求められ、一部署だけでは対応できないことが多く見られます。
「どこから手をつけていいのかわからない」という現状から脱するべく、私が所属している会社オノフから、CXデザインノウハウを持った人間が「最終的に貴社だけで実現/運用できるよう」、貴社のプロジェクトチームの一員としてジョインすることができます。
具体的には、CX、DXのグランドデザインができるスタッフを貴社のチームの一員として一定期間レンタルするというイメージです。
もしこの記事を読まれている方で、CXMのお悩みがあれば、是非お気軽にご相談ください。