GA4とは?いつから導入したらよいか?特徴や導入メリットに関して解説
GA4とは、Googleアナリティクスの新しいバージョンのツールで、今まで提供されてきたユニバーサルアナリティクス(UA|Universal Analytics)との互換性はありません。
当初、2019年8⽉に「アプリ+ウェブプロパティ」としてリリースされ、2020年10⽉に「Googleアナリティクス4 プロパティ(GA4)」として正式にリリースされました。
2022年3⽉にUAの終了予定スケジュールが発表されたため対応準備が必要になっています。
今回はGA4に移行した背景や導入時期、導入メリットを解説致します。
GA4に移行した背景
UAからGA4へ移行した背景には、二つの課題解決があります。
一つ目がユーザーの閲覧環境への対応です。従来のUAでは、PCでの閲覧とモバイルでの閲覧をそれぞれ別のユーザーとして測定していましたが、現在の利用環境では多くユーザーがPCとスマートフォンを併用してサイトを閲覧するようになっています。GA4では、異なるデバイスからのアクセスをユーザー単位で測定することで、こうした問題に対処できるようになりました。
二つ目がユーザーのプライバシーの課題です。
日本国内では、まだプライバシー問題は厳格に管理されていませんが、欧州や米国ではプライバシー保護の取り組みを強化しています。プライバシー保護へ対応したGA4の導入が必要不可欠になっています。
GA4とは?GA4の特徴とUAとの違い
クロスプラットフォーム
GA4とUAとは、そもそもの設計思想が異なります。
GA4の最もわかりやすい特徴がクロスプラットフォームであることです。
クロスプラットフォームにより、プロパティ内にウェブとアプリのデータをそれぞれ格納し、User IDで統合することができるため、複数のデバイスでWebやアプリを使ったユーザーを統合して測定できます。
プライバシー重視
次に大きく変わった点が、プライバシー重視のデータ収集方法になった点です。
GDPR(General Data Protection Regulation | EU一般データ保護規則)など、プライバシーを重視したデータ規制に対応しています。
特にサードパーティのCookieが段階的に廃止される方向で進む中、将来のニーズに適応できる設計になっており、GA4はデータ規制に対応した仕様となっています。
機械学習を活用した予測機能の導入
また、機械学習を活⽤した予測機能が導⼊されているため、7日以内の購入や離脱に対する予測指標や予測オーディエンスをレポートすることが可能となり、購入意向のあるユーザーへ広告でアプローチを掛けることも可能になります。
GA4の機能と導入メリット
GA4導入には、先に述べた3つのメリットがあります。
1)Webサイトとアプリを横断的に計測できる
2)プライバシー重視のデータ収集ができる
3)機械学習を活用した予測機能が使用できる
上記に加えて、SQLを使うことができる方には、従来のUAでは有償版でしか利用できなかったBigQueryへデータをエクスポートできる点も大きなメリットになります。
BigQueryを活用することで、データを抜き出して、SQLで分析を掛けることができるようになるため、UAやGA4で把握できなかったデータを集計することができます。
GA4をいつ導入するのが最適か
UAの無償版は2023年7⽉1⽇に計測が停⽌します。その後少なくとも6カ⽉間はデータを利⽤が可能となりますが、2024年1月には完全にデータが利用できなくなります。
また、GA4とUAでは集計される数字に違いが出てくるため、過去のデータとの比較をする場合には同じツールである事が望ましいことを考えると2022年6月末までに、GA4での計測をスタートさせておくことが望ましいです。
GA4の移行方法や設定方法をWEBマーケティングのプロに相談する
GA4の導入の際の注意点
GA4を導入した際に、一番戸惑うのがレポート機能ではないでしょうか。
UAと同等のことが、GA4では、対応に⼿数が多くなることがあるため、新しい視点が求められます。
特に注意すべき点は、UAとGA4は異なるツールであるため、数値は⼀致しないことです。この数値の違いは、ツールの仕様による違いなので、数値を一致させることは出来ません。ツールが別物であることを理解しておく必要があります。
ツールが別物である点を、レポートを閲覧する関係者に事前周知しておくことが大切になります。
事前アナウンスをしておくことで、数字の違いについて説明を求められることを予防することができます。
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GA4の導入方法と設定方法を解説
GA4は、UAとは別に設置が必要になります。UAのデータをGA4に移すことができないため注意が必要です。
GA4とUAを平行導入する際の検討事項をまとめてみます。
コンバージョンの設定を行う程度であれば導⼊は、そこまで⼤変ではないのですが、UA利用時に計測をカスタマイズしている場合には、計測している指標の棚卸しと再設計が必要になります。
まず初めに、UAで計測している項目を棚卸して、GTM(Googleタグマネージャー)の設定を確認しておく必要があります。
その上で、GA4でどのような分析を行うのかを整理する必要があります。分析に必要なデータやデータ連携を確認して整理します。
また、GA4は、分析用途に応じた標準レポートがUAに比べて少ないため、探索レポートやBIツールなど(データポータル等)で分析レポートを準備する必要があります。
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GA4についてのよくある質問 FAQ
最後に、GA4導入に関するよくある質問をまとめておきます。
UAのデータをGA4へ移管できますか?
2022年5月の段階では、できない仕様となっています。UAのデータをエクスポートすることはできますので、対応としてはデータをエクスポートして別途で分析してください。
UAよりGA4でセッション数が異なる(少なくなる)はなぜですか?
UAとGA4では、セッションが切れるタイミングに違いがあります。UAのセッションが切れるタイミングは、次の3つのタイミングでした。
1)30分以上何も操作がなかった時
2)参照元情報が変わった時
3)日付をまたいだ時
GA4の場合、「30分以上何も操作がなかった時」のみセッションが切れます。そのため、UAよりもGA4のセッション数が少なくなるケースがあります。
GA4の説明は以上となります。