顧客体験(CX)が重要視される背景と測定方法を解説
編集長のためごろうです。今日は3月31日、まさに年度末ですね。
12月を師走と言いますが、3月の方が何倍も忙しい気がします。
さて、そんな年度末に今日は改めて顧客体験(CX)がなぜ大切なのかをお届けしたいと思います。
顧客体験(CX)とは
改めて、「顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)」とは何かですが、Customer(顧客)と Experience(体験)を掛け合わせたマーケティング用語で、「顧客体験価値」と言われたりもします。
ユーザー(顧客)が商品やサービスを知って、興味を持って、購入したあとも、その企業と何かしらの関わりを持ちながら利用し続ける体験のことです。私の体感では、特にコロナになってから、世の中のデジタル化が急速に進み、CXという言葉をよく耳にするようになった印象があります。
コロナ禍で、オンライン上での顧客接点が増えたことや、ECサービスの発展、消費スタイルの変化などにより近年注目されております。顧客は良い体験をするとロイヤルティが上がると言われており、結果として企業側にとってもLTV向上に繋がり、メリットがございます。
例えば、携帯電話を購入する際、iPhoneが良いだとか、スニーカーは特定のメーカーを買ってしまうなど皆さんも経験があるかと思います。iPhoneは決して安いと言えないが、故障した際のスタッフの対応に安心感を覚えたり、豊富な種類のアプリケーションに魅力を感じているなど、色々な理由で洗濯をしているでしょう。こういった購入後も日常生活で感動的な体験をしてしまうと、理屈を超えて愛着を持ってしまうことも顧客体験の一部です。
顧客体験(CX)が重要な背景
商品の差別化競争の激化、Saas型サービスの流行
消費財や日用品、洋服などあらゆるものを買う時に迷ってしまう程物があふれております。そのため消費者は商品の機能だけでは魅力に感じることが難しくなってきております。購入後のケアが手厚いか、自分の時間が有効活用になるかなど、付加価値が重要となってきております。また特にSaas型のモデルが台頭したことにより、企業側は継続して顧客にサービスを利用してもらい続ける必要があります。それにはいかに機能的に優れているかをアピールするのではなく、顧客に時間を使ってもらえるか、顧客のストレスなく接点を持ち続けることが大切となりました。
情報接点の増加、個人発信が強く
スマートフォンの普及により、あらゆる情報が手に入るようになりました。物を買う時、店頭やテレビCMだけではなく、SNSや比較サイトを予めチェックしてから購入するようになり、購入後のアフターケアまで詳細に情報を得ることが出来ます。製品やサービスに気に入らない点があればすぐにSNSに投稿し、簡単に他のブランドにスイッチ(乗り換え)します。簡単に満足や不満が簡単に広まることから、それぞれの接点での最適な体験を提供することが求められるようになりました。
モノ消費からコト消費に
また、顧客の消費スタイルは、機能を重視する「モノ」消費から、体験に価値を置く「コト」消費へと変わってきています。すでにモノがあふれているため、所有を自慢する時代は終わり、体験を共有する時代へと変わりました。シェアビジネスが活気づき、Instagramで映えを気にする写真をアップすることもその一つの現象でしょう。自分が其の商品を購入することでどのようなイメージを与えるか、発信できるかが重要となっている為、起業が提供するサービスの価値の重要性が高まっております。
いずれも体験を通じて得られる付加価値を求めており、こうした変化も顧客体験重視を後押ししています。
顧客体験(CX)を高めるために最初にやること
CXには「頭の満足」よりも「心の満足」に着目して考えてみる必要があります。
「頭の満足」
頭で考えて、満足を感じられるもの。例えば価格や、性能、アクセスのしやすさや味など、言葉で簡単に説明しやすいものになります。
「心の満足」
心で感じる満足を表したもの。接客、雰囲気、自分に合うなど。合理的に説明がしにくいものになります。例えばあなたがある商品Aを購入しているとします。その理由が価格の安さにあるとします。仮に競合商品Bが商品Aより安かった場合、あなたは競合商品Bに乗り換えてしまうでしょう。
購入の理由が説明しがたい「心の満足」が働いている場合、競合が安い、性能が優れているなどの理由が表れても簡単にスイッチングされなくなります。
この「心の満足」こそがカスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)であり、その体験価値を高めていくことで、自社商品・自社ブランドのファン化を促すためのものになります。
顧客体験(CX)の成功事例
ゲームが売れに売れている任天堂はゲーム機やソフトで非常に高評価を集めている企業ですが、ユーザーサポートでも神対応という評判があります。
「壊れたゲーム機を送ったら本体だけでなく子供が貼っていたシールも一緒に送り返してくれた」「ゲーム機本体はすべて交換になったが、セーブデータは移行してくれた」などの体験談がネットに溢れているそうです。
ユーザーにとっての期待を超えたサポートは、短期的に見たら手間やコストもかかるため、企業が損しているようにも見受けられます。ただし、長い目で見ていくと、このような行為は「ずっと任天堂の商品を買い続けたい」というようなファン化に繋がりますので、その人がずっと買い続けてくれる、身の回りの家族や友人に評判を広めてくれるなど、企業の健全な成長を促してくれることになります。
顧客体験(CX)の満足度の測定方法
消費スタイルや色々な事が変化した現代では、満足度の高い顧客体験を提供することが顧客ロイヤルティを上げ、結果として企業の安定的な売上につながることは分かりましたが、自社の顧客がどの程度サービスに満足しているか数値化することは可能でしょうか。結論、可能です。
その手法は近年日本で注目を集めているNPS(ネットプロモータースコア)という調査手法です。
NPS(ネットプロモータースコア)は0から10の11段階のスコアから導き出す推奨度のスコアで、その影響に及ぼしていることやその体験が推奨度を押し上げてくれるのか、引き下げてしまっているのかを可視化して見ることができます。
一人ひとりに適切で快適な顧客体験を提供するには、まずは現状を正確に知る必要があります。あります。そのためにNPSを活用することで現状を正確に分析でき、課題解決策の効果検証なども容易にできるようになります。NPSは計測方法が簡単で結果の信頼性が高いことから、多くの企業が導入しています。
NPSについては、他のブログでも紹介していますので、そちらをご覧ください。
NPSの業界別の事例や、まずはざっくりとした事でも、どんな些細な事でも構いませんので、ご相談お待ちしております。相談はコチラまで