消費者インサイトとは?事例・「心の声」を捉える方法を解説
デジタルマーケティングカンパニー・オノフの編集長のためごろうです。
デジタル端末を使えば瞬時に知りたい情報が取れるようになった現在、消費者ニーズの高まりに対して、スピード感を持ってそのニーズを満たすことが企業としても求められています。
ニーズの中には「安い」「機能的」など目に見えて、誰もが理解できるものもあれば、「なんとなく」や「もっとこうだったらいいのに」など、ユーザー自身も理解できていないものまであります。
「ユーザーを理解することが難しい」「コミュニケーション不一致が多い」などを感じる場合、目に見えるニーズだけでのコミュニケーション設計になっている可能性が。
消費者の本当の購買行動を支える隠れた気持ち「消費者インサイト」について考えてみませんか?
「消費者インサイト」とは?
本人が認識していない想いや感情を「消費者インサイト」と言い、意識・動機・行動に大きくつながっている、心の奥底にある隠れた「本音」を指します。
例えば、なんとなく入ってみた雑貨店で商品を手に取ったときに「なんかいい」「なんか好きかも」と思って、つい買ってしまった経験はありませんか?
自分の中にあるその”何か”は、上手く言葉にすることができません。
本人が認識できない「無意識の領域」で、購買行動に深く直結している感情。
心の”何か”を刺激して感情が動く。明確に答えられないけど確かにあるもの、それが「消費者インサイト」です。
ヘルシー志向と思いきや真逆のインサイト
「どんな商品が欲しいですか?」
新商品開発のために、マクドナルドはユーザーにアンケート調査を実施しました。
アンケートでは、「サラダが欲しい」といったヘルシーなメニューの要望が多く、その結果を元に「サラダマック」を開発。満を辞して2006年に販売をスタートさせました。
ところが、自信満々で市場に送り出したものの、売上は期待したほど伸びず、「サラダマック」は早々と姿を消してしまいます。
この反省を踏まえ、この後に販売した「メガマック」など肉の量が多い新メニューは、ヒット商品となりました。
ユーザーの実際の行動は、アンケートで答えたこととまったく違っていたのです。
アンケートに答えようとするとき、人は冷静に思考します。
「今の時代、健康志向だから」「ヘルシーなメニューがないから」など、体にいいものを食べなければならないと理解しているので、アンケートの回答にヘルシーなメニューが欲しいと書きます。
けれど、それは自分の本音でしょうか。
マクドナルドはハンバーガーをメインに販売しています。そもそも、ヘルシー志向であればマクドナルド以外のお店へ行くでしょう。それをせずマクドナルドへ来ている人の「本当の理由」に目を向けていたのでしょうか?
「野菜ではなく肉が食べたい」「カロリーなんて気にせず食べたい」という背徳感を得るために来ていた、それが本音だったのかもしれません。
インサイトを捉える第1歩は、自分の感情に目を向けることから
消費者インサイトを捉えることは、非常に難しいと言われています。
「あなたの本音を教えてください」と、ユーザーに直接聞いて正解が集まれば、正しい施策やコミュニケーションが大量に生まれ、大成功となるでしょう。しかしその表面的な意識を集めただけでは失敗を量産してしまう、ということです。
何よりも消費者の「心の声」が重要なのですが、直接聞いたところで本人が認識していないので、言語化することもできないでしょう。
前項のマクドナルドのメニューのように、調査した結果を正解とせず、もっと掘り下げて仮設を立てることが必要となります。この時重要になるのは、仮説はあなたの体験・経験から導き出されることも多い、ということです。消費者インサイトを捉えるには、あなた自身が消費者として“体験”することが重要です。体験をしたときにどう感じたか。目に見える感情に加え、心の動き、例えば「なんとなくよかった」などの感覚を大切にしてください。
まとめ
今回は、消費者インサイトについて、また事例や、消費者の本当の「心の声」を捉えるために重要なことついて解説してきました。
消費者インサイトはインタビューやアンケートで得られた結果を熟考することで初めて仮説を導き出す段階に入ることができます。弊社では、30~50代女性を中心とした”質の高い回答が得られる「ノーインセンティブ」調査”『みんなのプロジェクト』というサービスがあります。
みんなのプロジェクトから得られた回答を熟考してみませんか?