「アフターコロナでどう変わった?女性の働き方と意識の変化とは

コロナ禍を経て、働き方や生活への価値観が大きく揺らいだこの数年。では、働く女性たちは実際にどのような変化を経験してきたのでしょうか。
今回の調査では、雇用形態別・年代別・子育て状況などを切り口に、アフターコロナの「働き方」や「ワークライフバランス」の実態に迫りました。 その中から今回は、雇用形態別に焦点を当ててご紹介します。
<調査概要>
調査方法 インターネット調査
対象者 全国/女性 20~60代/6歳~22歳までの子を持つ女性/子供のいない女性
調査期間 2025年2月1日〜3日
有効対象者 2,267サンプル
調査機関 株式会社オノフ
「派遣社員」に顕著な変化――柔軟な働き方へのシフトも?
2020年4月以降、働き方に変化があったと回答した女性は全体で26.2%。中でも「派遣社員」はその割合が最も高く、4割を超える結果となりました。特に「転職するなどして仕事そのものが変わった」と回答した人の割合は36.9%にのぼり、全体よりも10ポイント以上高い数字です。
この背景には、コロナ禍による契約更新の見直しや業務内容の変化に加え、働き方や環境を見直そうとする女性自身の前向きな意識の高まりもうかがえます。柔軟な雇用形態だからこそ、自分の状況や価値観の変化に応じて、より自分に合った働き方を模索・実行する動きが見られたのかもしれません。
一方で、「正社員」は変化率が最も低く19.2%にとどまっており、安定した雇用形態であるがゆえの変化のしにくさも垣間見える結果となっています。

ワークライフバランスの変化が満足度に影響
現在のワークライフバランスについて尋ねたところ、「良くなった」と感じている人は全体で19.7%、「悪くなった」は9.0%との結果となりました。
雇用形態別に見ると、「パート/アルバイト」「派遣社員」「自営業・フリーランス」などで「良くなった」と感じる割合が比較的高く、正社員や契約社員を上回りました。
特筆すべきは、働き方に変化があった人たちのうち、約4割が「ワークライフバランスが良くなった」と答えている点です。
これは全体平均を10ポイント以上も上回っており、自身のライフスタイルに合わせて働き方を見直し、より満足のいく生活を手に入れた人が少なくないことが読み取れます。

意識面の変化――健康とやりがいを重視するように
アフターコロナで働く女性たちの「意識」にも変化が見られ、雇用形態ごとに重視するポイントに違いが表れています。
「派遣社員」の女性たちは、重視する点として「自身・家族の心身の健康」や「ワークライフバランス」を挙げる割合が特に高く、家族との時間や健康を大切にする意識が強まっている様子がうかがえます。
「自営業・フリーランス・その他」の層では、「仕事へのやりがい/責任感」や「生産性・効率化」への意識が強く、働くスタイルの自由度が高まった分、自分の仕事に対する向き合い方も変化しているようです。
「正社員」では、「自身/家族の心身の健康」は全体平均より5ポイント以上低く、「安定した雇用や収入」が最も高い項目となりました。 安定した働き方を続けていくことへの価値を、より強く感じている様子がうかがえます。
また、「働き方に変化があった」と回答した人の多くは、「ワークライフバランス」や「働く場所・時間の柔軟性」の重要性を実感しており、自らの意思で働き方を見直したことが、理想の働き方や暮らし方の実現につながっていると考えられます。

このような意識面の変化から、コロナ禍を経て、女性の働き方の変化は「仕方なく変える」のではなく、「自分らしい働き方を選ぶ」きっかけとなった側面もあることがうかがえます。