市場調査は、何人くらいデータを集めれば信頼出来る?リサーチ初心者に分かりやすく解説
初めまして。デジタルマーケティングカンパニー・オノフのすぎやまです。
早速ですが、調査をしようとする時、まず「サンプル」を集めなくてはとなると思いますが、サンプルって一体いくつ集めたらいいの?となりませんか?
その「サンプル」が調査をするときにいくつ必要か、また信頼度の高いサンプル数等について説明していきたいと思います。
「サンプル数」と「サンプルサイズ」の違いとは?
まず「調査」とは、ある事柄を明らかにするために調べることであり、事柄を明らかにするためには、調査のテーマに合わせたデータ(事柄を証明するための根拠となる数値)を集める必要があります。これがいわゆる“サンプル”です。
そのサンプルには「サンプル数」と「サンプルサイズ」といわれるものがあり、この二つについて説明したいと思います。
例を挙げると、とあるメーカーで1日目に10個、2日目には15個、3日目には20個の製品のデータを測定した場合、サンプルサイズは「10」「15」「20」のことを指し、サンプル数は「3」となります。
信頼度の高いサンプル数について
一般的に信頼度の高いサンプル数と言われているのは「許容誤差5%」、「信頼度95%」です。
例でいうと、信頼度95%の設定で回答者数が100人、上記の許容誤差5%、ある事象への好感度が70%の場合、「100人中95人」は「ある事象への好感度が65%~75%」ということになります。必要なサンプル数を導き出す計算式は下記(※1)のようになっていますが、これを一々算出するのは大変なことなので、サンプル数の一覧表(※2)を見るのが一般的となっています。一般的に信頼度の高いサンプル数と言われている「許容誤差5%」、「信頼度95%」を見ると、母集団数「100」の場合、80サンプルを集めれば確度の高い結果を得られるということになります。
またざっくりとしたニーズや市場感を掴みたい場合、許容誤差10%、信頼度90に設定し、サンプル数を「100」集めれば、知りたいことの傾向を十分に把握することが出来ます。
他にサンプル数の目安として言われているのは、母集団の総数が「10,000」を超える場合、サンプル数が「400」集まれば、確度の高い結果を得られる目安の数値と言われています。また母集団の総数が「1,000」の場合は「300」、「100」の場合は「100」、「10」の場合は「10」であり、母集団の数値が小さくなればそれだけ集めるサンプル数を増やす必要があります。
(出典)https://mirizerocket.com/2020/03/14/number-sample/
サンプル数を算出する際のポイント
サンプル数を算出するためのポイントは3つあります。
母集団の設定
調査の対象となる集団を母集団といい、アンケート調査は母集団の一部を抽出して行うことが一般的です。信憑性のある結果を出すためには、母集団の人数に合わせたサンプル数を準備することがポイントです。
許容誤差と信頼度の設定
調査の確度として、ざっくりニーズ感を知りたいのか、また既存サービスの情報が知りたいのか、更に新規事業を行うにあたって精度の高い情報を得たいのかで、許容誤差と信頼度の設定が変動すると思います。まずは調査の「重視レベル」を決めることがポイントとなり、そのレベル感に合わせた許容誤差と信頼度の数値を設定し、サンプルを集めていく作業となります。
下記は、母集団10,000とした場合の重視レベルに合わせた参考パターンです。
・精度重視:許容誤差5%、信頼度95%(サンプル数約400)
・標準調査:許容誤差5%~10%、信頼度90%~95%(サンプル数約70~400)
・ざっくり:許容誤差10%~20%、信頼度80%~90%(サンプル数約10~70)
回答率の設定
回答率はアンケートの回答を選定するサンプルの数値のことを指します。例えば、あるアンケートで対象者の70%が「サービスのAが良い」と回答した場合、次に調査する際には回答率70%を算出式としてサンプルサイズを計算することが可能です。
新規事業を始めたり、既存サービスのニーズを調べたり、既存サービスから発展させた事業を始めたりする際には、根拠となる数値を導き出すことが重要になります。そのための調査で確度の高い結果を導き出すためのサンプルがどのくらい必要かを今回まとめさせて頂きました。
弊社では、リサーチ部署を立ち上げてから10年の実績があり、年間数千点の調査を請け負っております。
調査の要件が固まっていないが壁打ちしたいといったご依頼も可能です。是非お気軽にご相談ください。
よくある質問
- 統計で有意なサンプル数はいくつですか?
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統計的に有意なサンプルサイズは、調査の目的や条件によって異なりますが、一般的には、400サンプルが必要です。
- アンケートの信頼度95%とは、どういう状態ですか?
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同じアンケートを同じ条件で100回実施した場合でも、そのうちの95回は誤差の範囲内に収まるという状態です。